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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「哀恋草」 第二章 逃避行

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「おみっちゃん、ここは父が作ったお楽しみの場所でもあるのよ。立派でしょう?二人で入れるもの・・・」
「はい、光は見たことがございませぬ。このような立派な湯殿は・・・」
「さあ、早う脱いでお入りなされ!」
光は恥ずかしそうに着物を脱ぎ素裸になった。
みよも一緒に素裸になって、光と一緒に湯に入った。

「温かこうございまする、ほんに気持ちのよいこと!」
「みよも同じです。おみっちゃんは幸せでございますなあ・・・姉上のような気丈で聡明な母上様で、それにお美しいし・・・」
「嬉しゅうございます。光は母上に感謝申し上げております」
「そうですか!お偉い事!おみっちゃんもきっと姉上のように立派な母親になられましょうぞ」

光は、みよの言葉が嬉しかった。久を心から慕っている自分と、同じように慕っている人が傍にいるからだ。光には心強い味方となりえる・・・そしてなって行く運命にあるみよだったが、このときにはその欠片も光には解らなかった。