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郷田三郎(G3)
郷田三郎(G3)
novelistID. 29622
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おはようの事情

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 自己紹介は席の順、と言われて僕も自己紹介をした。

「どうも。商品開発部の小原です。よろしくお願いします」
「そうそう、約してオハヨーって言うのは、実はコイツなんです」
 大矢は間髪いれずにフォローした。(僕にはとてもフォローとは思えなかったが)
 女子の側の三人がこそこそと「ああ、あの」みたいに言っているのが聞こえた。
「なんだよ、お前だって大矢純夫で“おやすみ”じゃないか」
 僕は腹立ち紛れに、ずっと言わずにいた事を言ってやった。
 そして今度は「ああ、本当だね」と楽しそうな反響があったのだ。
 横を見ると大矢はがっくりと頭を垂れて、呆れ顔で僕の顔を見る。
「お前なんで、もっと早く言ってくれなかったんだよ。忘れたのかと思ってたよ」
 そして腕を伸ばして僕の肩をポンポンと叩いた。そして、まあいいか、と言って自己紹介の続きを促した。

 システム開発部の大木仁、資材部の丹羽大介。生産管理部の本庄竜能。
 そして女子は、海外営業部の有賀董子さんが反対側から紹介してくれた。
 お客様相談室の小出康子さん、総務部の須賀三久さん、そして海外営業部からのもう一人、楢崎小夜さんだった。
 女の人の容姿に甲乙をつけるのは不謹慎ではあるが、四人の中ではというか、会社中を探しても楢崎さん程の美人にはなかなかお目にかかれない。
 名前は忘れたが、TVドラマで科学者とコンビを組んで事件を解決する刑事役の女優にどことなく似ている気がした。
 なので、僕はさっきから下ばかり見ている楢崎さんが気になって仕方がないのだ。

 自己紹介と追加情報によると、楢崎さんだけが有賀さんの後輩で、あとは有賀さんのご友人なのだそう。
 それにしても、有賀さんの隣で僕の正面の楢崎さんは何が面白くないのかさっきから下を向いたきり何も喋ろうとしない。話し掛けても短く「はい」「いいえ」としか答えてくれない。もっとも話し掛けているのはもっぱら大矢であったが。

作品名:おはようの事情 作家名:郷田三郎(G3)