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　翌日、夕方になって重さんが店に来た。俺はホッとした。
「重さん、ハローワークには行ったのかい？」
「おう、そのつもりだったんだがな――なくなった」
「は？　なくなったって何が？」
　見ると重さんがにやにやしている。
「……？」
「実はなぁ、くびになるって話、なくなったよ」
「へっ？！」
　俺は素っ頓狂な声をあげてしまった。
　重さんには驚かされっぱなしだ。
　重さんの会社の社長もずいぶん気まぐれなんだなあ。くびって言ったり、やめたって言ったり……。お陰で、変な夢は見るし――まぁでも良かった。