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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第八回・参】試して合点

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「放して」
緊那羅が京助の手を掴んだ
「ごめんね行かなきゃいけないの」
緊那羅が言うと3馬鹿と京助が驚く
「今…お前なんつった…?」
京助が再び緊那羅の手を掴んで聞く
「放してってば!! 行かないといけないの!! 待ってるの!!」
緊那羅が京助の手を振り解いて数歩下がった
「ラム…ちゃん?; いつものだっちゃ…は?;」
南が懐中電灯を緊那羅に当てながら言う
「な…なぁ…;」
坂田が隣にいた中島を揺すった
「い…稲川淳二?;」
中島が呟く
「むしろ…ギボアイコ?;」
京助が払われた手をさすりながら呟いた
「いけない…早く行かないと…ッ」
「あ!! おい!; 緊那羅!!」
タッと駆け出した緊那羅が渡り廊下の暗闇に吸い込まれるように消えていく
「緊那羅!!;」
ワンテンポ置いて京助が緊那羅の後を追いかけると顔を見合わせた3馬鹿も京助の後に続いた
走っているせいか懐中電灯の光を四方八方に忙しなく飛び散らせて京助が微かに見える緊那羅の後姿を追っている
「ば…ッ!!; そっちかいだ…」
そう言いかけた京助が手を思いっきり伸ばして緊那羅の腕を掴むとガクンと緊那羅が階段を踏み外した
「だぁッ!!;」
「でっ!;」
「ちょ…ッ!!;」
「危なッ!!;」
緊那羅の腕を掴んで一緒に階段から落ちるところだった京助のシャツを坂田が間一髪掴み、その坂田のズボンを南が引っ張ってそしてその南の足を中島が捕まえた

「せ…セーフ…;」
階段の手摺につかまって中島が言う
「ナイスコンビネーション俺等;」
坂田が腕で汗をぬぐった
「大丈夫か京助〜;」
南が坂田の体の横から京助に声をかける
「一瞬あの世が見えたような気が…;」
坂田がシャツを引っ張った時に首が絞まったのか京助が涙目で首をさすっている
「緊那羅は?」
中島が上から言うと京助がハッとして緊那羅を見た
「…いる;」
自分の手の中の緊那羅の腕を見てそしてその先に緊那羅の姿を見て京助がホゥと安堵の息を漏らした

「…思い出した」
緊那羅が呟いた
「そう…私階段から落ちたんだっけ…」
「はぃ?;」
緊那羅の言葉に京助と3馬鹿が声を揃えた
「…じゃぁ…この私は…」
緊那羅が震える声言いながら自分の手を見た
「この私って…お前は…誰だ?;」
そんな緊那羅に京助が聞いた
「…大沼妙子(おおぬまたえこ)…アンタは?」
緊那羅が京助を見て言った