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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第八回・参】試して合点

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栄野家の台所にある冷蔵庫におじゃる丸のマグネットで貼られたカラフルな夏休みの計画表にかかれたかろうじて読めるミミズ文字
「五時半に起きて〜ラジオ体操行って〜…」
悠助が自分で立てた夏休みの計画表を何度も嬉しそうに見返して確認をしている
「何してるんだっちゃ? 悠助」
母ハルミが茹でた昼飯用の冷や麦をざるに入れて持った緊那羅が悠助の上から計画表を見た
「コレ? 夏休みをどうすごしますかっていうの書いたの」
悠助が緊那羅に笑顔で答える
「夏…休み?」
緊那羅が聞き返す
「そう〜今日から…えっと…学校が長いお休みなの」
悠助が説明する
「じゃぁ悠助ずっといるの?」
慧喜が膝を付いて悠助と目線をあわせて聞いた
「うん!!」
悠助が頷くと慧喜の顔がぱぁっと明るい笑顔になった
「本当!? 本当にずっと悠助いるのか?」
慧喜(えき)がずいっと悠助に近づいて再度聞く
「そうだよ〜? ずっといるの学校始まるまでだけど」
悠助が言うと慧喜がもうどうしょうもないくらい嬉しいんだってば!! というカンジで悠助に抱きついた
「京助も夏休みなんだっちゃ?」
慧喜に思い切り抱きしめられている悠助に緊那羅が聞く
「そうだよ〜」
悠助が答えた
「ハラヘッタ〜;」
ガラガラと玄関の引き戸が開く音がして今まさに話題にしようとしていた人物が帰宅した

「夏休みってそんなに嬉しいものなんだっちゃ?」
冷や麦を半分汁につけた緊那羅が京助を見て聞いた
「そらな〜朝早く起きなくていいし勉強しなくてもいいし」
京助が刻んだキュウリを汁の中に入れながら答えた
「何言ってんのあんたは…ラジオ体操! そして宿題あるんでしょうが」
母ハルミが京助に言った
「緑の僕が食べる〜」
京助が摘んだ冷や麦の中にあった緑色の麺を見て悠助が言う
「しゃぁねぇなぁ; 味は一緒だろに…ってか俺中二になってもいかねぇとアカンわけ?; ラジオ体操…」
悠助の汁の中に緑麺を入れながら京助が言う
「あたりまえでしょ!! 休みの時には休みの時なりに過ごしなさい!!」
母ハルミが言った
「ラジオ体操って何?」
悠助の隣で慧喜が聞く
「んとね〜朝起きてね〜皆で体操するとハンコもらえるの」
悠助が緑麺を摘んで嬉しそうに答えた
「ってか…いつもより早く起きねぇとアカンやん;」
勢いよく冷や麦をすすった京助が言う
「緊ちゃんと慧喜も一緒にいこ〜?」
悠助が緊那羅と慧喜を見て言った
「私もだっちゃ?」
緊那羅が箸を止めて悠助を見る
「俺は行く」
慧喜がにっこり笑って悠助に言った
「皆で行ってきなさい? ね? 京助」
母ハルミが笑いながら言う
「…ってかまた俺主体かよ…;」
箸に染みた汁をかみ締めながら京助が肩を落とした