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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第八回・参】試して合点

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「逃げてたってどうせつかまるんだし時には本当全力で逃げて逃げて…ソレでもいいと思うよ俺」
そして笑いながら緊那羅(妙子)を見る
「たえちゃんにはそうして逃げて疲れても受け止めてくれる人いるんだから」
きょとんとしている緊那羅(妙子)に南が言った
「…ありがとう…」
少し間を空けて緊那羅(妙子)が微笑む
「馬鹿になりたきゃ協力するぞ」
坂田がスズランテープを伸ばしながら言った
「大丈夫、今日少し馬鹿を貰ったから」
緊那羅(妙子)が笑いながら親指を立てて言った

階段の一番上の端にスタンバイした南と坂田がスズランテープをピンッと張った
「全力疾走OK?」
坂田が暗闇の中ぼんやり浮んで見える緊那羅(妙子)に言った
「うん…OK」
緊那羅(妙子)が足を一歩ひいて走る姿勢に入った
「一番似合いたい人の名前とか唱えながら走れば上手くいくかもよ?」
南が軽くウインクして言う
「勘弁してよもう;」
緊那羅(妙子)が苦笑いを返した
「じゃ…いくぞ----------------!!!」
坂田が受け止め役の京助と中島に向かって叫ぶと緊那羅(妙子)が駆け出した
「少し上げるぞ」
坂田が手に持っていたスズランテープを少し上げた
「了解…帰っておいでラムちゃん…っ」
南がぼそっと呟いてスズランテープを上げると丁度 緊那羅(妙子)の足の脛に引っかかった
「っわ…!!;」
ガクンとバランスを崩した緊那羅の体が暗闇に向かって頭から落ちていく
「…三春…っ」
小さくその名前が聞こえると南が微笑んだ