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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第八回・参】試して合点

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「何がじゃ」
南と坂田が揃って声を上げ緊那羅(妙子)を指差すと京助と中島が二人にチョップを繰り出した
「いくら待っても何の音沙汰ねぇし…何がソレなんだよ;」
中島が聞く
「何がソレ?;」
南と坂田に指を指されたままの緊那羅(妙子)も聞いた
「いやね…たえちゃん今高校生なんだけど昔俺等と同じ歳の時にもこうやって学校に忍び込んだんだって。んでそん時たえちゃんお経唱えてたって言うし…ラムちゃんも唱えてたろ?」
南が緊那羅(妙子)を指差していた指を今度は京助に向けた
「だから?」
京助が聞く
「…俺の推測だけど…たえちゃん…戻りたかったんじゃない? 中学校二年生に」
南が緊那羅(妙子)を見た
「…え?」
いきなり話題を振られた上ソレが当たっていたのか緊那羅(妙子)が少し驚いた顔を南に向けた
「ホラ、高校三年って受験戦争に就職戦争だし…ぶっちゃけたえちゃん逃げたかったんじゃない? 楽しかった時に」
南が【ねぇ?】というカンジに手を振りながら緊那羅(妙子)に言った
「だから何か? 中学二年で肝試し…もとい忘れ物取りに来てお経言ってた緊那羅にって? …緊那羅は中二じゃねぇけど;」
京助が南に聞く
「まぁ俺の推測だけど」
南がハッハと笑った
「多分俺も逃げたくなると思うしね〜…勉強大嫌いだしこんな田舎じゃ就職もアレだしサァ…」
南が遠い目で言う
「その点坂田は組長か旅館だろ?」
中島が坂田に振った
「いや神社だって」
「オイコラ;」
返した坂田に京助が間髪いれずに突っ込んだ
「…君ってエスパーか何か? どうして私のことそんなにわかるの?」
緊那羅(妙子)が苦笑いを浮かべながら南に聞く
「俺? 俺はいつでも女の子の気持ちを第一にって考えだから」
ニッと笑って南が答えた

ベィイイイイイイイイ…

「…何の音だ?」
突如聞こえ出した小さな音に中島が耳を澄ませる

ベィイイイイイイイイ…

「…坂田…お前いつから蛍になったんだ?」
京助が坂田の尻を叩きながら言った
「蛍…そういや今日蛍の墓がロードショー…じゃなく; そうだそうだマナーにしてたんだっけ;」
坂田が尻のポケットから携帯を取り出して開いた
「三春」
そして相手の名前を言う
「…もしもし?」
『まだか?』
まだ受信音量を最大にしたままだったため三春の声が全員に聞こえた
「いや…何だか共通点が結構見つかって…これから」
坂田がうるさいのか携帯を少し耳から放しながら話す
『共通点?』
三春が聞いてきた
「高校生って大変なんだナァ…とか」
京助が言うと一同が頷いた
『は?;』
聞こえたのか三春が疑問系の声を出した
「とにかく今からやるから…成功を祈っててくりゃれ」
そう言うと坂田が携帯を切った
「さって…とじゃ…今度こそ」
坂田が携帯をまた尻のポケットにしまったのを合図にしたのか受け止め役の京助と中島が階段を降り始める
「逃げてもいいと思う」
南がボソッと言った