Stern
目の前はずーっと、ずーっとまっくらだった。
わたしはずーっと、ずーっと、その中で一人うずくまっていた。
でも、美柴さんが手をさしのべてくれて、やっと立ちあがることができた。
そして、こんどは大きくてあたたかい手が、わたしをつかんでくれた。
だいすきなぬくもり。
歩きだす。いっぽいっぽゆっくりと。
光が見える。まぶしくて先は見えない。
だけど、わたしには分かった。どこへむかっているのか。
お空の上。お星さまの先。
なんにもこわくなんかない。かれがいっしょにいるから、どこへでもいける。
かれといっしょにいることが、わたしにとって生きているということ。
わたしの命の灯はきえる。