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吾輩は猫のキューピッドなのにゃ

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「チビです」と書かれた紙を読んだ私は、「ミーに変えてください」と紙に書いてペンダントに入れた。
 床に鉄道模型のレールを敷き、私は列車を走らせた。チビは追い掛けて手で払った。模型は飛ばされた。私は鉄道を撤収した。
 私は仔猫用のミルクを皿に入れた。チビは美味しそうに飲んだ。
 三年くらい前のことを、私は想い出した。

 冬の雨の日だった。駅の改札前で通勤の人々が何かをよけて歩いていた。
時刻は午後七時頃だっただろうか。師走の駅は近くで何かイベントでもあるようなそんな夥しい人の流れだった。
 濡れた床に、濡れた仔猫がいた。通勤者たちはそれをよけて歩いていたのだった。
 私は恐らく蒼くなって猫を拾い上げ、バスには乗らずにタクシー乗り場へ向かった。
「きたない猫だな。汚れるからだめだよ」
二台目も同じだった。
「これから書きいれなんだ。ほかの車にしてくれ」
 バスも同じことだろう。そう思った私は、傘をさし、か細く鳴いている
濡れた子猫を左手だけで抱え、舗道を歩いて行った。
 クラクションを鳴らしながら軽トラックが舗道に乗り上げてきたのは、三分くらい歩いてからのことだった。