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詩集 CaF2

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「アルジェリア戦争」

空から沢山の羽が降ってきて
子供たちが皆で其れを欲しがっている
僕は幾つかの羽を手に入れて
沢山の子供達に分け与えた
全ての子供達の笑顔が見たかったので
僕はいつまでも羽を集めて
いつまでも子供達に配り続けた
僕も子供の一人で
僕もその羽がとても欲しかった
だけど
僕はどうしてもそのことが言えなかった
誰に対して?
(生きることに対して)
君はそう呟いて僕からもらった羽をひらひらとさせた
沢山の子供達の中の僕が
羽を持たないことは悲しいけれど
僕が羽を一枚でも持っていて
それによって
誰かが羽を持っていないというのであれば
「僕はどちらの方が悲しいのだろう?」
生きることは結局そういうこと
そして其れは悪ではない
生そのものには悪を孕んでいるけど
僕等が生きようとする事そのものは肯定されている
だから僕は肯定していることを支持する為に
僕を否定する
僕が羽を持っていないこと
それは僕が生きることについての説明書そのものなので
僕は其れを書きかえることを許さない
神様に最も近いものが千の羽を持って
その羽が限界までの色数を識しても
僕は五蘊を顕して退けるだろう
生まれてから全ての羽を誰かに分け与えて
そのことが僕を否定しても
僕は涙をすることはない
なぜならその涙は君が流すから
空から降る羽の一枚
その懐かしい色と匂い
ekamからdvadashaその先ずっと数え続ける





作品名:詩集 CaF2 作家名:透明な魚