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貝殻

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と、わたしは大して、話したくもない内容のお決まり事を謂ってしまった。さてと、食事が運ばれて来たので、葉子より先にわたしは食べ始めた。ときどき、うやむやする気持ちはある。葉子の述べた、さっきの話題もでることも不思議に思わなかったし、ショックは文言上受けたが、わからない気持ちでは無かった。共感を得てるってこういうことだろうか。やはり意見の相違の普段からの少なさもあり、葉子といたり、話をしているのは心地よい。価値観はひとにより持っていたり価値観を判断を狂わせる欠陥品として持たないという価値観?のかたもおられると聞いた。24年も外界で暮らすといろんなことがみえるようで、結局何も自分自身もみえずに終わり、そしていま理解できてるとわかっているつもりのことも全て無価値で、意味が無く、空虚・全てが誤解で、間違いや錯誤の集合思想かも知れない。そして、何も得ぬ人生を死に寄り、終える。それは嫌だと思うが、ただ、自分以外の周りも同じ様にそうならいいか?とも思える。相対的な物ではないだろうか?得てないと嫌だ、自分以外が得てるものが自分も得ていないと嫌だ、人生全うできてない、なんて。相対的にみんな自分と同じ程度の得物があればそれでOK。満足して終えれる。自分はたしかにそうだ。パワーと呼ばれる権力だってそう。使う側と使われる・被る側のパワーバランスなんだ。被る者がいなきゃ権力は効果をだし得ない。つまりこう。「権力は性格によりSとMに分類される場合が多い。権力を行使する側のS。被る側のM。ただ。Mの側も被る権力というのは変な言い回しだが、権利?とでもいうか、Mが受け手をむしろ積極的に望むとしたらSとMは両方ないとSとMの両方の権力にある持ちつ持たれつの関係は成就しない。しかもSとMの1個にあたる、総体的なパワーの量はわたし自身S側1こあたりの方が多く持つとおもう。そうすると権力は数的な面ではSが少数でMが多数であると量的な合計バランスはとれるとおもう。そうして権力の需給は一致する運びだ。結局行使と被行使の違いがあるが、権力に関し、生きている間の相対的な周りとの得物はSであれMであれ、同じ得物を得るのはふたつの側をどっちでもいいので、選び易いし、この件は、比較的いろんな目的の中では差が生じにくく、満足な結果で死を迎えられる、カテゴリーなんだ。ただ、割り切れないとうやむやな思いのまま、苦渋の人生を進む心理をもたらす物だとは思う。」
葉子が謂った。
「私達ふたりはまだ若いわねー。そうよ。私色々考えたけれど、これから色んな仕事以外の経験をみてみたいは。」
「うん。そうだね。時間的にはまだ恵まれていそうだ。時間を無駄にするなとよく謂われるけど、そうかな?ゆとりってのが一番時間を無駄にしてない有効な方法であるとも謂えるよ。週末とか筧さんは何してるの?」
とわたしは聞いてみた。
「うん、最近なんか仕事もおちついてきたせいか、落ち込むことが多くなって、暇つぶしにもならないことを有意義とも自分では思わないで、ゆっくり自分が本当にしたいことを考えて過ごしてるとこよ。」
葉子も、自分なりの生き方を考える年齢だし、それは正しい。変な言葉遣いに気を取られながらも葉子とわたしは料理を食べていた。
 料理である、サラダを食してるときに葉子がこう語り出した。
「この課増さんのサラダ、美味しそうだけど。なんか可哀想ね。可愛くもあるけど。なんかもったいない・・・。」
葉子は葉子なりに自分の姿は気にしてる様だ。薦められた、店は良かったが、ふたりはその良さとは関係のない、エリアの心理状態で会話を坦々と進めた。細身とは謂えない葉子だがこうみると対面では非常に美しい。関係ないとこでそう思う。なんとなく葉子が謂った、サラダの話のように可愛くもあるけれど、可哀想という感情も一瞬わたしのこころを葉子に対し、過ぎりだした。
葉子に対するわたしの考えはここでは口に出さず、控えた。だって恥ずかしいんだもん、やっぱり。それにそれが本意であるか確認しきれなかったし。ただ、謂える事はわたしは葉子に対し、違和感を覚え出し、少なくとも心地良さ以外にももう何種かの感覚・感情を抱いてる事に不安・興奮・よろこびを発見しそれを自分の中で、曖昧にもう消えてしまえ。と処理しようとしていた。そこにプライドや葛藤が含まれつつある事だけは確認できた。
それはそうと筧葉子は最近無頓着にもプライベートの現れをわたしに知ってか知らずか気付かれる、程度にまとってわたしの前で居る事が多く成って来た様だ。それは、一体、不可思議なオーラで在った。なんともいえぬ生活感ではなく悲壮を纏った、日常からは、通常感じえぬ一種の、敗北感を感じた。それは葉子はどういう風に日常から醸して纏い出したのであろう?日々の疲労の所以で在ろうか?挫折や敗北は社会人ともなれば学生時分より、数字的な側面以外からも多々よく形に外からみてわかるように現れる。女性であるはずの葉子に中性的な雰囲気を感じ出したのも最近に成ってからで在った。
気分が悪くなった、なんだか。不吉にも似た予感が将来当たらなければいいが。
「ねぇ。今晩は、帰って、なにに縛られるのかしら・・・又。」と、葉子。
「そうだね。仕事も可も無いが不可もない程度には進めれた時分だ、もうちょっと自分を俺自身も見詰め、筧さんも日常を週末離れ、アブノーマルな世界で空虚ななんの為にも成らぬ出来事を整頓してみては?」と、わたし。
「そうねぇ、キャッとか何が起こってもおかしくて楽しんで居た、学生時代や幼少のころが思い出しなつかしいは。それにあの時代て私自身はアブノーマルだったのねぇ。世間様と比較して。」
「うん。お腹は満たせたかな?なによりも体が資本で健康が一番大事だ。何をするにもね。お決まりな言い方だけど、体力は必ず保持するべきだ。精神面まで病んじゃうよ。健康を保持しつつ、世間を渡らないと。」と、わたし。
「そうね、相互作用みたいなものね。精神と肉体の分離って。分かったは。お腹は満ちたけど、まだ酔い足りないみたい。もう1つビールを注文するは。」
「はは、いいね。でも最近の筧さんは元気とは掛け離れた、精神的自立をわたしから見ても感じるときがあるよ。精神面では充実かな。肉体面の方も気を使って大事にね。ほどほどに・・。体は壊さないでね。精神面の充実に体力を傾けすぎないで。」
ふたりは食事のあと、しばらく談笑したのち、店をでた。
作品名:貝殻 作家名:ぴろ色