いまどき(現時)物語
「高見沢さん、それで、どんな返信が犯人から返って来たと思いますか?」
「何と言って来たの?」
「大変御苦労様でした、了解ですって、私、笑っちゃいましたよ … うふふふふ」
浮舟が思い出し笑いをしている。
高見沢も浮舟も強請り事件の犯人を追っている。
しかし、こんな話しの展開に二人の緊張が緩んだのか、二人は顔を見合わせて、さらに大きく笑い合うのだ。
「それにしても、犯人はえらい隙間が好きなヤツだなあ、それでその後の動きは?」
高見沢は新たな出来事がないか聞いてみる。
「ここんところちょっとお休み状態なの、まっその内連絡があるかと思いますが」
高見沢は、浮舟のここ一連の行動と無事が理解出来、一安心だ。
「浮舟、まあじっくり任務遂行する事だな、危険を感じた時は、いつでも連絡して来るんだよ、直ぐに助けに行くからな」
「ありがとうございます、女影武者としての初仕事、ご主人様が高見沢さんでホントに良かったわ、また支えて下さいね」と、浮舟が可愛く頼って来る、
「もちろんだよ、浮舟、心配は無用、夢浮橋を渡って、この自由な現代社会に連れて来たのは、この俺だぞ、浮舟がこの世界で生き抜く力が備わるまで、俺は責任を負っている、任せときな」
高見沢は、こう男っ気一杯に言い切らざるを得なかったのだった。
作品名:いまどき(現時)物語 作家名:鮎風 遊