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いまどき(現時)物語

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だが、未だ充分納得出来ていない。
「だったら、女影武者って、一体どんな役割をしてくれるの?」

浮舟は待ってましたとばかりに返して来る。
「女影武者は、御主人様と同一の人格を持った人物になるのよ、

そして、ただひたすらに御主人様のタンジブル・インタンジブル(tangible/intangible : 有形/無形)の利益のために行動するの、まあ言って見れば強い信頼の絆で結ばれた〈個人秘書〉兼〈情報部員〉兼〈実行係〉ね」

「ほうおう、結構お堅いお商売なんだ」と感心している。
「だけどね、ここが大事なの、プロ派遣契約だから、御主人様への尽くし度合いは、契約金次第よ」

確かにお抱えの影武者がいたら便利。
しかし、それなりのお金が必要となれば、採用するかどうかはまた別問題。
高見沢は急に弱気になって来る。

「あのう、浮舟さんの場合、結構お値段お高そうじゃない?」
「高見沢さん、何言っているの、お金の事は心配しないで、御主人様の練習台になってもらって、先生として職業訓練してもらうのだから … もち、フリーオブチャージ(無料)よ!」

高見沢は無料と聞き、またまた強気へと変心。
「おっおー、無料ってか、最高だね、女影武者のお勤め、ちょっとキツイかも知れないけど、ビシバシと扱(こ)き使わせてもらうからな」

「承知致しました、高見沢さん、早速初仕事にかかりましょう」
浮舟ももうノリノリだ。


作品名:いまどき(現時)物語 作家名:鮎風 遊