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いまどき(現時)物語

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「女影武者としての私の初仕事よ、卑弥呼女王からのお薦めの御主人様は、誰だと思います?」
「そんなの俺わからないよ … 誰って?」

浮舟は背筋を伸ばし、そして両手を前に置き直して、神妙な顔付きでさらりと言ってのけるのだ。
「御主人様は、高見沢さんよ」

「えっ、何て?」
高見沢はゴクッと唾を飲み込み、後が続かない。

「高見沢さんに御主人様の練習台になってもらい、OJTで職業訓練しなさいって」
浮舟はここまで言って、スッキリした表情になっている。

二人の沈黙が暫らく続く。
そして、高見沢は大きく深呼吸をし、声を震わせながらも再確認するのだ。
「浮舟さん、アンタはんが俺の女影武者になって、トコトン御奉仕してくれはるって、嘘でしょ?」

「嘘じゃないわ、その通りよ … よろしくお願いしますね」
浮舟は実にさっぱりしている。
だが高見沢の方は未だ信じられない。

「初めての御主人様が、俺でホントに良いの? 後悔はしないだろうなあ?」
まるで高見沢は生娘のバージンを奪うような気分になっている。

「私は、本日只今より、高見沢さんのための女影武者です、そう決めたの、だからあまりプレッシャー感じないで」

これを聞いて、高見沢は胸がドキドキと高鳴り出し、顔から笑顔が吹き出して来る。
高見沢は、この歓喜を無理に抑えるかのように、冷めたコーヒーを一気にゴクンゴクンと飲み干した。
そして遂に、男の感情を炸裂させてしまうのだ。


作品名:いまどき(現時)物語 作家名:鮎風 遊