いまどき(現時)物語
高見沢はなかなかマキコ・マネージャーを離さない。
「ちょっとお、アンタ、いつまで抱き着いてんのよ、もう気持ち悪いから、早く離して!」
マキコ・マネージャーが急に我に返ったのか文句を付けて来た。
「あっそうか、マキちゃん、シュンマシェン、あんまりにも嬉しかったもんで …
いやいや、やましい心はありゃしまへん」
「このセクハラ・オヤジ、油断も隙もありゃしない!」と言いながら、マキコ・マネージャーはそれ程の御立腹でもなさそうだ。
こんな二人の振る舞いを見ていた卑弥呼女王は、笑みをこぼしながら朗々と告げるのだった。
「グリーン・アイズプロジェクト、これからも二人協力し合って精励せよ」
カリスマ的な美の絶頂にある女王からの言葉だ。
その格調の高さから、高見沢は恐れ多いものを感じ取っている。
しかし、高見沢は根っからの関西人、言う事だけは言ってしまわないと気が済まない。
「女王様、承知しました … しかし、一つ質問があります」
「何なりと申されよ」
「A評価って、何か、もらえるのですか?」
これを横で聞いていたマキコマネージャーが、唖然。
そして、力一杯のひじ鉄が飛び出して来る。
「イッテェー、何すんねん!」
「アンタ、時と場所をわきまえなさいよ、ホント、このサイテイ・ヤロー!」
マキコ・マネージャーが真剣に怒っている。
「ほっといてくれ、俺はリワード(報奨金)が欲しいだけなんだよなあ …
デパートの商品券でもOKだよ」
作品名:いまどき(現時)物語 作家名:鮎風 遊