いまどき(現時)物語
「バーカ、高見沢さんは、やっぱりいつまで経ってもサイテイね、人生、そんな適当にやって来たの、もっと心を燃やす熱いパッション(情熱)はないの、
アンタの人生は、いっつもインポッてるのよ」
「インポッてるって、それどういう意味なんだよ …
インポテンツを勝手に動詞活用させるなよ」
高見沢はここまでで止せば良いのに、まだまだ反撃にせざるを得ない。
「マキちゃんなあ、君の話し方には棘がある、それに典型的な頭の悪い人の発想だよ、だいたいホウレンソウなんぞ聞きたくもない古典的会社訓話が多過ぎる」
「私が頭悪いって、サイテイとでも言うつもりなの? それって、どういう事なの、説明してよ」
マキコ・マネージャーの機嫌が本当に悪くなって来た。
高見沢はこれは真剣にまずいなと思い直し、これ以上の言い争いは止めるべしと反省した。
「とんでもございません、マキちゃん、誠に失言でありました」と深々と頭を下げて謝った。
マキコ・マネージャーは大人のスマート・レディ。
感情を抑え、「わかったわ、もう無駄な言い争いは止めましょう、ところで、浮舟は、どうだったの?」と言い、少し柔和な表情となった。
作品名:いまどき(現時)物語 作家名:鮎風 遊