いまどき(現時)物語
「それで、今日はどうしら良いんだよ?」と、高見沢はえらくぶっきらぼうに問い掛けた。
マキコ・マネージャーは意味ありげな微笑を浮かべながら、
「高見沢さん、私にグリーン・アイズ・プロジェクトで何か報告したい事があるんじゃないの?」と反対に聞き返して来た。
高見沢はゴクリと唾を飲んで、「まあなあ」と返事の歯切れが悪い。
そんな高見沢に、マキコ・マネージャーが更にせっついて来る。
「グリーン・アイズの情報持っているんでしょ、いい、高見沢さんと私は、このプロジェクトを互いにパートナーとして組んで走らせているのよ、わかってんの?」
「何の事だよ?」と高見沢はとぼけてみせた。
マキコ・マネージャーは鋭い目付きで睨み付けて来て、きっぱりと言い切るのだ。
「浮舟の事よ」
高見沢は突然の話しで息が詰まりそうになるが、
「えっ、マキちゃん、ヤッパ浮舟の事知ってたのか、まいったなあ」とボソボソと呟くしかない。
「高見沢さん、もっと行動をし、結果を出しなさいよ、そうでないとアナタの査定は、D評価よ」と、マキコ・マネージャーは息巻いて来る。
「おおおー、可愛いマキちゃん、会社のオヤジ上司みたいに部下をコーナーに追い込み、脅すような事を言うたらアカン、ハイハイハイ、肩の力を抜いて深呼吸を大きくして」
高見沢は、マキコ・マネージャーのテンションを抑えに掛かったが止まらない。
「高見沢さん、私達はパートナーよ、何故浮舟との出来事を、私に報告してくれなかったの?」
「シュンマシェン、まったく他意はない、貧乏暇なしで、ちょっと面倒臭かっただけだよ」と高見沢は素直に謝った。
しかし、マキコマネージャーは収まらず、鬱陶しい事を言い出すのだ。
作品名:いまどき(現時)物語 作家名:鮎風 遊