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いまどき(現時)物語

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「マキちゃん、個人面談に入る前に、二人の絆を再確認したいんだけどなあ、それで突然の事なんですが …

コッテリとハグハグしない?」

マキコ・マネージャーはキョトンとしている。
しかし、やっとその意味が理解出来たのか、鋭く反応して来る。

「アホ! オッサンとハグなんかするわけないでしょ」と一発で高見沢の要望を蹴った。

「何でやねん!」と高見沢は喰い下がる。

「コッテリって、何よ? 
ハグハグってどういう意味かわかってんの、どちみち力任せに抱きついて来て、スキ見せれば、キッスまで迫って来るんでしょ」
マキコマネージャーが思い切り睨んで来る。

「マキちゃん、なんという貧困な発想なんや、俺がそんな誘惑的な事するわけないだろうが」

高見沢は純粋な男の信頼感を疑われているようで面白くないが、反面、下心を図星に言い当てられて強く否定も出来ない。
更にマキコ・マネージャーは、自信たっぷりと結論付けるのだ。

「高見沢さんには、世の女性に対して歪んだ思い込みと誤解がいっつもあるのよ、これって、ゴキブリ・オヤジ特有の性癖だよね」

高見沢はここまで罵倒されても、まだまだ未練がましい。
「わかったよ、奇麗なマキちゃんの膨らみを感じ、ただただ生きる力が欲しかっただけなんだけどなあ、またの機会にでも、是非」

「そうお、私から生きる力をって … そうなの、ちょっと嬉しいかな」
マキコ・マネージャーは、反発している割には満更でもなさそうだ。

こうしていつもながらの大人の二人の儀式的挨拶を終えるのだった。


作品名:いまどき(現時)物語 作家名:鮎風 遊