いまどき(現時)物語
マキコ・マネージャーは勝気な性格を抑えながら、珍しくも高見沢を気遣いながら優しく話して来る。
こんなマキコ姉さんのお願い口調に、高見沢は気を良くしたのか、気分上々に一転するのだ。
「マキちゃん、個人面談してくれるってか?
それにしても、それってゴッツー楽しそうじゃん、俺、ずうっと美人マキちゃんに逢いたいと思ってたんだよ」
「そうよ、高見沢さんの態度次第でね、楽しいかもよ」
マキコ・マネージャーはじらしながら誘って来る。
それに対し高見沢は、よせば良いのに、またまた調子に乗って言ってしまうのだ。
「ところで個人面談てさ〜あ、個室でマキちゃんと二人っ切りで、同じ空気を吸ってという事だろ … そうだよね、
何かビンビンするような事が思わず起こりそうだよなあ、大事な所、磨き込んで行きまっさ!」
電話の向こうでマキコマネージャーが、返答に困っている。
しかし、少しの静寂の後、強い口調で言い切って来る。
「このスケベオヤジ!
何勘違いしてんのよ、あのね、いい、高見沢さんにもっと熱意と執念を持ってミッションを遂行してもらうための業務面談よ」
「えっ、そうなの? 全然面白くないな」
「高見沢さん、もうちょっとまじめに考えなさいよ、ミッション遂行はヤル気の問題よ、アナタそれでも日本男児なの!」
マキコ・マネージャーはえらく煽って来る。
高見沢もここまで言われれば黙っていられない。
「あのね、俺はいっつもヤル気はガンガンで、情熱は沸騰してるんだよ」
間髪入れずに、マキコ・マネージャーはずばり切り返して来る。
「だけど、いっつも結果が出せないんでしょ!」
作品名:いまどき(現時)物語 作家名:鮎風 遊