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いまどき(現時)物語

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高見沢と浮舟、普段なら格段の安らぎを与えてくれるはずの香りの良いコーヒーを前にして、二人は向かい合って座っている。
浮舟の顔が恐怖で青ざめているようだ。
そのせいか、余計にエメラルド・グリーンの瞳が強調され、美しくキラキラと輝いている。

「浮舟、君はプロの女影武者だよ、怖いものは何もない、これはね、男女の憎悪が臨界点に達し、一気に破裂し、崩壊してしまっただけだと思うよ」

高見沢は、浮舟を元気付ける意味合いも込めて強く言い切った。
しかし、浮舟は大きな疑問を抱えてしまっているようだ。

「高見沢さん、この連続的に起こった四人の不幸は、一体何なの?
私達は、未だ朝霧の地獄送りのシナリオが書けてなかったのよ、
そんな前に … こんな連続的惨劇が起こってしまうなんて」

「ああ、そうだね」としか、高見沢も答えようがない。

「もし、何か推理している事があったら教えて下さい」
浮舟は何らかの答えを求めている。

「これはね、多分、浮舟が前に言っていた不思議な微妙さの中で、一箇所を突っ突いたら、ドミノのように次から次へと壊れて行ったという事のようだね」

浮舟はこんな抽象的な解答には満足していない。
「高見沢さん、もう少し具体的に話してよ」

高見沢は覚悟を決めたのか、自分の推理を述べ始める。


作品名:いまどき(現時)物語 作家名:鮎風 遊