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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第八回・弐】お祭り神社

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「ギャー!;」
坂田が悲鳴を上げた
「ハイ、ご苦労さん」
首からタオルをかけタバコを咥えたオッサンがミニ箒を坂田に手渡す
「あと…あと少しで500円だったのに…ッ;」
がっくりと肩を落とした坂田の前には微妙な形をした型抜きの壊れた無残な姿
「ここでハブラシかけりゃよかったに~…無理して画鋲で攻めるから」
オッサンが笑いながら言う
「でっきッ!!」
南が声を上げた
「おッ!! どれどれ…あ~!! こりゃいい! 完成!!」
「おぉおお~!!」
オッサンが言うと周りから歓声が起こる
「器用だよなァお前;」
南の隣で失敗した型抜きの型をポリポリ食いながら京助が言う
「ホイさ!! 400円」
オッサンが400円を南に手渡した
「くっそ~; ムカツクなぁ;」
坂田が渡された箒は使わず京助同様型抜きの型をポリポリ食い始めた
「根気だよ根気」
南が400円を財布に入れながら笑った
「にしても…結構ハードなスケジュールなのにまったく疲れてないのはアレですか…やっぱお祭りパワー?」
中島がヨーヨーをバインバイン打ちながら言う
「すげぇミラクルお祭りパワー…ってことで次いこ次!!」
型抜きの型を食い終えた京助が立ち上がった
「京助!」
ゴソゴソ動き出した京助が聞き覚えのある声に振り返ると3馬鹿もつられたのか一緒になって振り返った

「…うっわぁ;」
そして口の端を上げる
京助と3馬鹿の目の前にいたのは通行人の視線を集めに集めている摩訶不思議服集団と緊那羅
「…あ、タコヤキ」
矜羯羅が型抜き屋の隣にあるタコヤキの屋台に目を向けた
「ほう…コレがタコヤキ…」
背伸びをして迦楼羅がタコヤキ屋のガラスから焼いている様子を覗こうとしている
「おッ!! べっぴんな兄ちゃん! 変わった格好だねぇ!! どうだい?」
タコヤキ屋のオッサンが矜羯羅に声をかける
「緊那羅さんや…」
京助が緊那羅を見た
「なんだっちゃ?」
緊那羅がきょとんとして京助を見た

ぐきゅぅううう…

その直後聞こえたかなり気持ちのいいくらいのでかい腹の虫の泣き声が更に通行人の視線を集めた
「…さっき型抜きでもらった400円…あるしね;」
そう言うと南がタコヤキ屋のオッサンに400円を手渡した
「南に礼言えよ? 鳥類」
京助が迦楼羅に言う
「ワシがか?;」
迦楼羅が自分を指差して聞く
「まぁまぁ; 腹が減ってはなんとやらって言うじゃん? ハイ」
南が笑いながら迦楼羅にパックに入ったタコヤキを手渡した
「…どうしたんです?」
乾闥婆がタコヤキを見つめたままの迦楼羅に声をかける