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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第八回・弐】お祭り神社

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「…生きているのか?;」
「はぁ?;」
迦楼羅(かるら)が言うと京助と3馬鹿が声を上げた
「何が;」
坂田が聞く
「この…上にのっている薄いものが動いているのだが…;」
迦楼羅が指差したものはタコヤキの上で踊りまくっているカツオブシ
「…んきいいね」
制多迦がカツオブシを見てヘラリ笑ながら言う
「前に食べた時…こんなの乗ってた?」
矜羯羅がカツオブシを指差して京助に聞いた
「乗ってたけど…あんだけ一気にかきこみゃわからんわな;」
京助が言う
「ふぅん…」
矜羯羅がひょいとひとつタコヤキを摘んで口に入れた
「…!!;」
そして次の瞬間 矜羯羅が口を押さえて制多迦の肩を掴んだ
「…熱かったんだな」
中島が呟く
「手で摘むからです行儀の悪い…」
乾闥婆が言うと矜羯羅が口を押さえたまま涙目で乾闥婆を睨んだ

「僕が知ってる祭りとは随分違いますね…凄く…楽しそうで」
乾闥婆が笑顔で通り過ぎていく人の波を見ている
「何? お前等ンとこの祭りってどんなんなんだ?」
京助が綿飴を片手に乾闥婆に聞いた
「僕の知っている祭りは…静かで…厳かで…そして悲しかったことしか」
乾闥婆が小さく言った
「…そか…。…一口」
そんな乾闥婆に京助が綿飴を差し出した
「…コレは?」
はじめて見るふわふわした綿飴を指差して乾闥婆が京助に聞いた
「食える雲」
京助が少しちぎって乾闥婆の口につけた
「…甘い…」
口についた綿飴を少し舐めた乾闥婆の顔がほころんだ
「たまには息抜きしろや?」
そう言って京助が多めに綿飴をちぎると割り箸ごと乾闥婆に渡した
「疲れてるときには甘いものって言うだろ?」
綿飴を口に突っ込んで京助が笑った