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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第八回・弐】お祭り神社

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「あッ! 蜜柑!!」
ヨシコと手を繋いでいた小学生が蜜柑の姿を見て声を上げた
「蜜柑ねえちゃんだー!」
一年生らしき男子児童が蜜柑めがけて駆け出した
「ほらほら転ぶよ~?」
蜜柑が腰を低くして男子児童を迎える
「…さすが保母目指してるだけあってお子様に人気あんねぇ蜜柑さん」
南が頷きながら言う
「家事ができて子供好きで性格も顔もいい…いいなぁ…」
浜本が中島の首に腕をかけて言った
「ってかお前地味にシスコンだよな」
男子生徒が言う
「はぁ?;」
中島が素っ頓狂な声を出した
「俺なら断るし米の買出しとか」
男子生徒が言うと数人揃って頷いた
「いや…それは親父が単身赴任でいねぇし…男俺一人だし…;」
中島が答える
「でも…だからってなぁ?」
男子生徒が言う
「ゆーちゃん! 頑張ってね? 今日ちらし寿司作るから」
蜜柑が小学生に囲まれながら微笑んだ
「…あぁ;」
中島が照れながらも返事をすると浜本が中島を叩いた

「…誰アノ人」
ヨシコが蜜柑を見て言った
「なんだか私の時とは打って変わっておとなしいじゃない? そうよ! おとなしいわ」
ヨシコがむっとした顔で京助達を見た
「そりゃそうだろ; 姉さんだし」
京助が言う
「お姉さん?」
ヨシコが蜜柑を再び見ると蜜柑と目が合い蜜柑がにっこりと笑った
「蜜柑優しいんだよ~」
ヨシコと手を繋いでいた女子児童がヨシコを見上げて言う
「…可愛いじゃない」
ヨシコが赤い顔で呟いた
「可愛い子じゃない。ゆーちゃんもスミに置けないね~」
蜜柑が笑いながら言う
「何が;」
ソレに対して呆れ顔で中島が返す
「アレは京助ンとこの」
「きょうちゃんの?」
蜜柑が京助を見た
「でもきょうちゃんに彼女さんいなかったっけ?」