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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第八回・弐】お祭り神社

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「緊ちゃん~トイレ~」
悠助が緊那羅を見上げて言った
「あ…えっと…わかったっちゃ」
緊那羅が悠助の手を取って歩きだす
「俺も行くッ」
そしてお約束といわんばかりに慧喜も悠助の手を握ったままついていく
「…わかったっちゃ…って…」
ヨシコが去り行く緊那羅達の背中を見ながら呟いた

「……」
しばしの無言の後ヨシコと中島が顔を見合わせる
「……」
そしてまたそのまま沈黙
「あ! ヨシコさん!!」
後ろから名前を呼ばれたヨシコが振り返ると御輿の時に手を繋いでいた女子児童とその友達らしき児童が手を振っていた
「あ…」
手を振り返そうとしたヨシコが何かに引っ張られている自分の手の方を見た
「…ちょっと」
阿修羅によって中島に握らされたままの状態だったヨシコが中島を見上げた
「あ? …!? わり…ッ;」
中島が慌てて手を放す
「中島だー! 蜜柑姉は?」
児童の一人が中島に聞く
「中島じゃないだろ? 圭介…中島【さん】だろ中島さん」
中島が圭介の頭に手を置いて言った
「え~…さんってつけるレベルじゃねぇじゃん中島」
圭介の後ろからやってきた圭介より少し大きい児童が笑いながら言う
「ゆーちゃんはゆーちゃんよ」
女子児童に抱きつかれていたヨシコが言った
「…中島が女つれてる…」
圭介より少し大きい児童がヨシコを見て呟いた
「しかもこの人【ゆーちゃん】って蜜柑姉しか呼ばない呼び方で…」
圭介が中島を見た
「コイツは…」
「コイツって何よ!!」
圭介たちに何か言おうとした中島にヨシコが怒鳴る
「コイツって言い方気に食わないわ!! そうよ! やっぱりムカつくわッ!!」
ヨシコが中島を睨んで言った
「…オイ…中島…尻に敷かれてんぞ」
圭介より少し大きい児童が中島にささやいた
「最初が肝心だろ~?」
そして中島を押す
「だぁから; コ…ヨシコは…」
「ヨシコじゃないって言ってるじゃない!!」
言った中島にまたヨシコが怒鳴った
「じゃぁなんて呼びゃあいんだよ;」
中島が疲れきった顔でヨシコに聞いた
「私は吉祥ッ!!」
ヨシコが自分を親指で指して言った

パン

「…ヘッタクソ」
圭介が射的の最後の玉を使いきると中島が後ろからからかうように言った
「うるさいッ;」
圭介が中島に怒鳴る
「惜しかったじゃない?そうよ、もう少しだったわ」
むくれている圭介にヨシコが笑いかけた
「慰めなくていいっ」
圭介がヨシコに言う
「慰めじゃないわ本当に惜しかったから言ってるの」
微笑みながら言うヨシコを見た圭介の顔が赤くなる
「圭介顔赤い~!!」
ヨシコと手を繋いでいた女子児童が圭介の顔を指差して笑った
「うるさい亜沙子!」
圭介が怒鳴る
「ありゃ惚れたな」
中島の隣にいた圭介より少し大きな児童が言った
「誰が」
中島が聞き返す
「圭介がアノ人に」
児童が答える
「まだ手ェしか繋いでないんだろ中島」
ニヤニヤしながら児童が中島を見上げた
「あのなぁ…渉…俺は別に…」
「照れるな照れるな」
呆れ顔で言いかけた中島の背中を渉が数回叩いた
「雰囲気的に蜜柑に似てるしなアノ人」
渉がヨシコを見て言った
「…だからなんだよ」
中島がいやな予感がします的表情で渉をチラ見すると渉がニヤっと笑った
「図書室にあるんだぜ~? 文集~」
渉が笑いながら言うと中島がやっぱりかという顔で肩を落とした
「文集?」
「うお!?;」
圭介と亜沙子と共にいつの間にか隣にいたヨシコが渉に聞く
「そ~!! 中島が小学校の時書いた作文がさぁ~」
「だ--------------------------------------------------------ッ!!;」
答えようとした渉を中島が押さえる
「作文?」
ヨシコが首をかしげた
「あのね~中島の初恋の人は蜜柑なの」
「が------------------------------------------------------------ッ!!;」
中島が顔を赤くして声を上げた