【第八回・弐】お祭り神社
「…俺等もやっとく?」
坂田がチロッと舌を出して京助に聞いた
「…ここは雰囲気に任せてやっときますか」
同じく舌を出した京助が南を見る
「踊る阿呆に見る阿呆同じ阿呆なら…ってヤツ?」
そしてやはり舌を出した南が中島を見た
「…決定!!」
中島が舌を出して言うと京助達が乾闥婆の肩を叩いた
「なん……まさか…;」
赤い顔のまま振り返った乾闥婆が見たものは舌を出してエセっぽく爽やかに微笑んだ京助と3馬鹿
「ま…そういうことで」
「何がですかッ!!; 放してくださいッ!!!;」
坂田が言うと怒鳴った乾闥婆を中島と京助が押さえた
「俺もした方いいの?」
慧喜が悠助に聞いた
「あれ? 京助どうしたのそのデコ」
旗持ち行列を終えた阿部が京助の顔を見て聞いた
「…いや…うんまぁ…なんだ」
京助と3馬鹿がエセっぽい笑顔で笑った
「…変なの」
ジトッと京助の顔を見て阿部が眉をひそめて言うと本間と共に歩いていった
「…けんちゃん…強いッすね」
南が迦楼羅にボソッと言うと迦楼羅が頷いた
「まさかアソコで二人まとめて一本背負いたぁ…本当可愛い顔してババンバン…; 参ったぜ;」
頬に擦り傷を作った中島が乾闥婆を見て言う
「貴方達が悪いのでしょう?」
そんな中島ににっこりと笑顔 (しかし何処となく怖い)を返した
「俺達だってけんちゃんの怪我が早く治ればいいなって思って…ッ」
南が泣き真似をすると制多迦が南の頭を撫でた
「気持ちだけ受け取っておきます」
乾闥婆がキッパリと言い切った
「だから言ったであろう; 乾闥婆に逆らうなと;」
迦楼羅が溜息をつきながら京助に言う
「…身をもって了解いたしました;」
京助が口の端を上げて言った
「あれ?」
坂田がふと顔を上げて何かを見つけた
「アレって…ヨシコと蜜柑さんじゃね?」
坂田に言われて一同がその方向を見ると摩訶不思議服ではない服を着たヨシコが蜜柑と共に近づいてきた
「…吉祥!!」
迦楼羅が声を上げた
作品名:【第八回・弐】お祭り神社 作家名:島原あゆむ