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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第八回・弐】お祭り神社

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勢いよくバウンドしたスーパーボールが乾闥婆にヒットした
「……;」
周りの空気が一瞬で南極の温度になった
「だ…大丈夫か?; 乾闥婆;」
迦楼羅が乾闥婆の顔をのぞきこみスーパーボールが当たったらしき額に手を添える
「…ごめん;」
矜羯羅が小さく何処となく何故か照れながら謝った
「乾闥婆?;」
緊那羅も乾闥婆の顔をのぞきこんだ
「あ…アレだ!!; ホラ!! ツバつければ治るって!! ツバ!」
中島が必死のフォローをする
「ツバ?」
そう言った悠助が笛を持ったまま乾闥婆に近づくと乾闥婆の額を舐めた
「ゆ…!」
慧喜が驚いて声を上げた
「…悠助?;」
乾闥婆が目を丸くして悠助を見た
「治った?」
笛を片手に悠助が乾闥婆に笑顔を向ける
「え…あ…;」
返答に困っている乾闥婆の前に今度は制多迦がしゃがんで悠助と同じように乾闥婆に額を舐めた
「…おった?」
ヘラリ笑顔で制多迦が乾闥婆に聞く
「…え…わ…ッ;」
そして今度は迦楼羅が同じように舐めた
「コレで本当に治るのか?」
真顔で迦楼羅が中島に聞いた
「…俺の婆ちゃんに聞いてくれ;」
中島が苦笑いで答えた
「まぁ全員で舐めれば治るんじゃないのか?」
京助がハッハと笑いながら言う
「ぜっ!!;」
ほんのり顔を赤くした乾闥婆が珍しく大きな声を出した
「もうだい…」
言いかけた乾闥婆の前に矜羯羅がしゃがむと軽く乾闥婆の額を舐めた
「…悪かったね」
そして顔をそらして小さく謝った
「…ッ;」
真っ赤になった乾闥婆が腕で顔を隠すと数歩後ずさった