【第八回・弐】お祭り神社
「京助って不思議だっちゃ」
「はぁ?; …不思議な格好をしたお前等に俺が不思議って言われちゃいましたが;」
緊那羅が言うと京助が口の端を上げて返す
「そう…ですね…」
「オイオイ;アナタも同意するのですかい;」
乾闥婆もボソッと緊那羅に賛同すると京助が裏手で突っ込んだ
「…貴方と話していると…どうしてか…こう…暖かい気持ちになるのです」
乾闥婆が自分の胸に手を置いて言う
「上手く言えないのですが」
そして乾闥婆が京助を見た
「…はぁ…;」
唐突に思いもよらないことを言われた京助が阿呆面を乾闥婆に向ける
「私も同じだっちゃ」
緊那羅が笑顔で言った
「だから貴方の周りには人が集まる…」
乾闥婆が京助に微笑みながら言う
「…類は友を呼ぶとかか?;」
京助が最近散々3馬鹿に言われている台詞を呟いた
ぴゅひょろろるぅぅ~…
というなんとも気の抜けた音
「…何だソレは」
迦楼羅が音につられたのか半分脱力したように悠助に聞く
悠助が吹いていたのは息を吹き込むと三本の紙が延びるという笛
「これ? クジ引いたら当たったの」
そう言って悠助が再び笛を吹いた
「お前また変なクジ引いたんか;」
京助が悠助に言った
「いいじゃん~お祭りはくだらないものもお宝に見えるんだし…なー? 悠?」
南が悠助の頭を撫でて言うと悠助が嬉しそうに笛を吹いた
「矜羯羅様も…なんですかソレ」
慧喜が矜羯羅の手の中を見て聞く
「…坂田とかいうのに貰った…んだけど」
慧喜に聞かれて矜羯羅が自分の手の中にあるモノを見せた
「それ? スーパーボールってんの」
坂田が言った
「す…?」
矜羯羅が聞き返す
「地面に思いっきり投げつけてみ?」
京助が矜羯羅に言うと矜羯羅が首をかしげながらも手を振り上げ手の中のものを地面に投げつけた
ガッ
「あ…」
作品名:【第八回・弐】お祭り神社 作家名:島原あゆむ