ユング ~詩のようなもの
あんず
(ユングの連想検査刺激語より)女の子の名前はあんず
親が不正な手段で得た家に住む
軽蔑するその親が
子供は外で遊べと注意する
でも
あんずは部屋にこもり
ノートを開き
小さな指で鉛筆を持ち
悲しい物語を書く
馬鹿な鳥がいました
餌を探しに出かけると
まばゆい金がいっぱい落ちていた
鳥は
餌もたべずに金を集め
巣に運びました
そして
空腹のあまり木から落ちると
そこには
大きな鮭がいて
鳥を丸呑みにしてしまいました
いつの日か
と
あんずは結婚を夢みる
高価なドレスなどいらない
白いワンピースでいい
そして
決して別れることはないだろう
作品名:ユング ~詩のようなもの 作家名:伊達梁川