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掌の中の宇宙 1

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Episode.3 マヤ



「マヤ・・・。何なの・・・。」
ネネムは色が煌めく世界にポツネンと立っていた。
1つ歩めば床が消えたり花が咲いたり、
美醜が撒き散らされたような・・・
しかし意味の有る配列の様な気もする。
(ネネム・・・マズイナ、行き先がワカラナイ、
混沌としていて・・・細かい計算では役に立たないな
あの2人・・・こんな不完全な世界を造りやがって
絶対に○●●●●にしてやる!!!)
ネネムは心臓を抑えた。動悸が速くなっている・・・苦しい。
世界は緑色かと思えば、
直ぐに色を変え音は小さくなったり急に大きくなったり・・・
ネネムは胸に手をあてて瞳を閉じた。
(ルナはソコに居ないの?)
「・・・ルナはまだ目が醒めていないよ。」
(なにやっているんだ!あの・・・●●○○●が!
本当にどいつもこいつも!
・・・わかったよ、もうわかった。)
途端に足元から波の様な揺らぎが起きて・・・
色の移り変わりが恐ろしいくらいに速くなった。
心臓が痛い・・・息をするのが難しくなって・・・
ん?何かが目の前に居る?
何故?なんで目を閉じているのに・・・それは美しい蝶だった。
虹のような可視光線のような7色の羽。
その羽を使い僕の周りを彷徨っている。
(ん?なんだ?蝶・・・か・・・ネネム、案内係が来たみたいだ。)
蝶はひとしきり僕の周りを彷徨うと、
今度はゆっくりとある方向に移動しはじめた。
その方向に僕が歩くと、音が鳴った。
「この音・・・?。」どこかで聞いたことのあるメロディー・・・。
(ネネム、一応・・・『もう1つの世界』とも繋げておいた
その世界にはほんの少ししか居ることができないけどな、
もしものために一応繋いでおく
ネネム、俺はとりあえずこの世界を安定させる為に力を使うから・・・。
後はルナの役目だ。
ルナに逢ったら、俺がただでおかないと言っておいてくれ!)
手に持っていた花の一片が地面に落ちていく。
それは時間の経過を表している筈だ。
僕は・・・なんだかボンヤリとした気持ちになった。
蝶は彷徨いながら色の中を進んでいる。
原色の色合いが僕の周りを通過していった。
地に落ちた一片の花びら・・・それは時間でなく
「もう1つの世界」に繋がる切符として消化されたらしい。
僕も「もう1つ」となって地に舞った。
しかし僕は蝶を追ってもいる。
僕は意識の重なりを剥がして歩き出したらしい。
蝶は白く輝く光をみつけた。そして光に吸い込まれていった。
僕もその光に触れる、光が僕を洗い流し僕を包み込んでいった

作品名:掌の中の宇宙 1 作家名:透明な魚