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真夏の逃避行

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新しい橋を渡って間もなく、テニスコートやレストランなどが見えて来た。画廊や小規模の美術館や博物館も、木立の間に散在してる。その辺りは別荘が多い地域なのだと、早川は思った。
「あっ!ここです。停めて」
小さなレストランのようだった。
「ここはレストランでしょう。名前がフランス語ですね、読めないけど」
「さっきのあのおじいさんのお店なんです。連絡しておくって、云ってたけど……」
はるかは本格的な発音で店の名前を読んだ。そして、車の外へ出た。
彼女はフランスに留学していたこともある筈で、ラジオ番組内でフランス人のミュージシャンに、インタビューすることも珍しくなかった。彼女の「売り」がフランス語会話だということは、勿論早川は知っていた。やはり、佐伯はるかは雲の上の存在なのだと、改めて彼は痛感した。
 早川は地図を探し出してプランを練った。紙袋を持ってはるかが店から出て来たのは、三十分以上も経ってのことだった。
「お待たせしてごめんなさいね。今は息子さんの雅彦さんがシェフなんですよ。二十年間向こうで修業されて、帰国は三年前ですって」
「二十年!けっこういい歳でしょ」
早川はレストランの未舗装の駐車場でUターンした。
「それがね、すっごく若々しいの!」
作品名:真夏の逃避行 作家名:マナーモード