神々と悪魔の宴 ⑥<透明人間>
なんだ、脅しだったのか――。
そう思った次の瞬間、オレは見たのだ。
オレと寝ているオレの間に紐の様なモノが繋がっていて、それが電球の芯の様に眩く光ってから消えて逝くのを。
そうか、あれが魂の緒というヤツだ。
死神のヤツ、オレの頭から延びるソレを切断しやがったのだ。
気がつくと締め切った地下室の中に強い風が吹いていた。
いや、風はどうやらオレだけに吹いているらしい。
地下室の暗い空間に更に漆黒の渦が出来てオレは糸の切れた凧の様にその中に吸い込まれて……。
おわり
04.05.22
※死神だって神様のうち。。。
№073
作品名:神々と悪魔の宴 ⑥<透明人間> 作家名:郷田三郎(G3)