神々と悪魔の宴 ⑥<透明人間>
神々と悪魔の宴⑥
<透明人間>
気がつくと、オレは夜更けの繁華街をフラフラと彷徨い歩いていた。
きらめくネオンも殆どが消えており、もはや電車に乗って帰るのは無理なのだとオレに知らせている。
何故オレはこんな時間にこんな場所を歩いているのか、朦朧としていた意識が戻り始めると、嫌な出来事を思い出してしまった。
「おい兄ちゃん、エライ事をしてくれたな? この店がどんな店だか判った上でのことだろうな、え?」
夕方の繁華街、オレはいつもの様にパチンコ店でイカサマをして大勝をしていた。
足元に大箱を重ねて置いてそこに窮屈そうに足を乗せたオレに強面のニイさんが優しく声を掛けてきたのだった。
初めての店だし、慎重にやっていたのだが、どういう訳かバレてしまったらしい。
店の裏口から連れ出され、数発殴られた後、近くのビルの地下室に連れて行かれた。
後の事は思い出せない。
きっと、あまりにも早くのびてしまったので、厭きれて外にでも放り出されたのだろう。
電車も無さそうだし、どこかその辺の終夜営業の店にでも入ろうと思ったが、何処を捜してもサイフが無い。
仕方が無いので駅のベンチででも夜明かしをしようと、オレは方向を決めて歩き出した。
駅の周辺には電車に乗り遅れたのか、始めから夜明かししようとしているのか、まだかなりの人が居た。
座り込んで話込む若者やスーツ姿のまま地面に寝ているサラリーマン。
深夜の駅周辺は意外と賑やかだ。
<透明人間>
気がつくと、オレは夜更けの繁華街をフラフラと彷徨い歩いていた。
きらめくネオンも殆どが消えており、もはや電車に乗って帰るのは無理なのだとオレに知らせている。
何故オレはこんな時間にこんな場所を歩いているのか、朦朧としていた意識が戻り始めると、嫌な出来事を思い出してしまった。
「おい兄ちゃん、エライ事をしてくれたな? この店がどんな店だか判った上でのことだろうな、え?」
夕方の繁華街、オレはいつもの様にパチンコ店でイカサマをして大勝をしていた。
足元に大箱を重ねて置いてそこに窮屈そうに足を乗せたオレに強面のニイさんが優しく声を掛けてきたのだった。
初めての店だし、慎重にやっていたのだが、どういう訳かバレてしまったらしい。
店の裏口から連れ出され、数発殴られた後、近くのビルの地下室に連れて行かれた。
後の事は思い出せない。
きっと、あまりにも早くのびてしまったので、厭きれて外にでも放り出されたのだろう。
電車も無さそうだし、どこかその辺の終夜営業の店にでも入ろうと思ったが、何処を捜してもサイフが無い。
仕方が無いので駅のベンチででも夜明かしをしようと、オレは方向を決めて歩き出した。
駅の周辺には電車に乗り遅れたのか、始めから夜明かししようとしているのか、まだかなりの人が居た。
座り込んで話込む若者やスーツ姿のまま地面に寝ているサラリーマン。
深夜の駅周辺は意外と賑やかだ。
作品名:神々と悪魔の宴 ⑥<透明人間> 作家名:郷田三郎(G3)