小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

【第八回】お祭りマンボゥ

INDEX|6ページ/29ページ|

次のページ前のページ
 


ヒュルルルルルル~…ドッパラパラララ…

「うわぁ~…」
悠助が見上げた空に咲いたのは大輪の花
「…花火やん;」
坂田がボソッと言った
「なんだ~お前等花火怖かったのか~ハッハッハ」
浜本が笑ながら立ち上がった
「違う…」
慧喜が足を肩幅に開いて構えの姿勢をする
「…来たんだやなッ!!」
「!?; 今イヌがしゃべ…!!」
イヌが浜本に体当たりして後ろに倒すとそのままゴへと姿を変えた
「下がってッ!!」
緊那羅の声にわけがわからずただ立ち尽くす3馬鹿や京助そしてその他正月中の生徒
「悠助ッ!!」
慧喜が悠助を抱えて跳ぶと今まで慧喜と悠助のいた場所にカツ----------ンと音を立てて何かが落ちた
「…玉…?」
南がボソッと呟いた

「…若…?」
柴田が空を見上げた
「柴田さん!!組長が…どうしやした?」
人にぶつかられながらもただ空を見上げている柴田を見た若い組員が不思議そうな顔で声をかけた
「……いや…なんでもない…」
そう言いながらも柴田は空から顔を逸らさない
「花火っスか? 今年は本数も増えてるみたいですよ」
先ほどから上がり始めた花火を見て若い組員が笑ながら言う
「…そうか…」
上がる花火に照らされながらも柴田は空を見ていた

「玉…だよな?」
京助が一歩その玉に近づいた
「京助!!」
緊那羅が京助を呼ぶ
「大丈夫だって; ただの玉っぽいし」
京助が緊那羅に向かって言った
「黒豆じゃないの? 黒豆ココアイソフレボンジュ~ル♪」
南も落ちてきた玉に近づいた
「離れるんだやな馬鹿ッ!!;」
「だぁッ!!;」
「うおわッ!;」
くるっと一回宙返りしたコマがゼンへと姿を変えてそのまま京助と南の首根っこを掴んで放り投げた途端黒い玉が何もしていないのにふわりと宙に浮いた
「おおお!! 何だ何だ!?」
見ていた生徒達からざわめきが起き始める
「人を投げるなッ!!;」
思い切り尻から着地した京助が怒鳴る
「忠告を聞かないからなんだやなッ!!」
ゴがゼンの隣で京助に言った
「だからって…ッ!;」
「何だッ!?;」
再び怒鳴り返そうとした京助の声が誰かの声で止められふと玉の方を見ると玉からドロドロとした物体が大量に流れ出てきていた
「うっわキッショッ!;」
中島が鳥肌を立てた
「逃げてッ!!」
いつの間にか両手に武器笛を持った緊那羅が叫ぶと生徒達が顔を見合わせた後小走り、駆け出し、本気走りで散っていく
「京助達も早く逃げるっちゃッ!!」
武器笛を構えて緊那羅が言う
「いてッ!!;」
先頭を切って駆け出した男子生徒が何かに弾かれた様に尻餅をついた
「何だこれ…カベ?;」
数人の生徒がまるでパントマイムの様に宙をぺたぺたと触っている
「…結界…!!」
緊那羅が顔をしかめた
「結構やりそうなんだやな…どろろっちょ」
ゼンが一歩足を引いて構える
「倒すしかないみたいなんだやな」
ゴがゼンと同じく一歩足を引いて構える
「そう…みたいだっちゃね」
武器笛に息を吹き込み一瞬にして摩訶不思議服姿になった緊那羅がまっすぐ黒い玉から生まれ出た黒くドロドロした物体を見た

「さぁ…どうなるかな?」
花火が咲く夜空に浮んだ白い布が花火の光で七色に輝いて見える
その白い布の間から覗いた口元には微かな笑みが浮んでいた