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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第八回】お祭りマンボゥ

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「いるいるいる~…; 本当何処から湧いて出たんだ人々よ…;」
石垣の上から人の波を見下ろして坂田が言った
「今年もお前んトコ協力してるのか?」
京助が坂田に聞いた
「ああ…まぁ…爺ィの代からずっとしてるみたいだし?」
坂田が石垣に取り付けられている手摺に寄りかかりながら答えた
「お!! 噂をすれば…しっばたさ--------------------------んッ!!」
南が人の波の中に見かけた柴田に向かって呼びかけた途端 緊那羅の表情が変わる
「…お前本当柴田さん嫌ってんなぁ;」
京助がそんな緊那羅を見て言う
「大ッ嫌いだっちゃッ! …京助はどうして怪我させられたのに嫌わないんだっちゃッ!」
緊那羅が京助に言った
「怪我? …あ~…あン時のか?」
京助が自分の腹をさすった
「じゃ俺も聞くけど…なんでお前は柴田さん嫌ってるわけ?」
今度は京助が緊那羅に聞いた
「だって京助を…」
「俺のせいか」
言いかけた緊那羅の言葉が京助の言葉で止められた
「俺がなんだ…怪我とかしなきゃお前は柴田さん嫌ってなかったんだな」
京助が頭を掻きながら言う
「ごめんな」
そして苦笑いを交えて謝る
「な…んで京助…!!」
「若!」
柴田の声がすると緊那羅が一歩下がった
「ばんわ~柴田さん今年も似合ってるぅ!」
腕に【正月町祭り警備委員】と書かれた腕章をした柴田が坂田組と書かれた半被を着てやってきた
「緊那羅君も今晩は」
柴田が笑顔を緊那羅に向けると緊那羅は京助の後ろに隠れるようにして逃げた
「ははは; まだ嫌われてるんだね俺は」
柴田が苦笑いをする
「ご苦労さん柴田」
坂田が柴田の肩に手をかけて言った
「踊りは七時半からでしたっけ? 今年も楽しみにしてますよ姐さんも…あ今年から組長も」
柴田が笑いながら言う
「お前の親父さんがこんな人がごっちゃりいるところに出てくるなんて珍しいな」
中島が坂田に言う
「どうせ母さんに無理やり引っ張ってこられたんだろうさ;」
坂田が口の端を上げてヘッと笑った
「何も起こらないといいんだけどねぇ?」
南が不吉なことを笑いながら言った

「慧喜?」
悠助が慧喜の浴衣の袖を引っ張った
「え…あ…何? 悠助」
ハッとして慧喜が悠助に笑顔を向けた
「どうしたの? 」
不安そうな顔で悠助が慧喜を見上げた
「なんでも…なんでもないよ? ちょっと…考え事…」
慧喜が顔を上げて3馬鹿と京助の方を見た
「…まさか…ね」
そう呟くとにっこり笑って悠助の手を握った
「じゃぁ俺は持ち場に戻ります皆頑張って」
柴田が坂田の頭を撫でて背中を向けた
「コルァ柴田!; 子ども扱いすんなってんだろが!!;」
坂田が柴田に向かって怒鳴ると柴田が手をヒラヒラ振った
「よちよちみちゅるくんいいこでちゅね~」
京助が坂田の頭を撫でながらからかう
「やめい!;」
坂田が京助の手を払いのけて怒鳴った
「いけまちぇんよ~ホ~ラいい子いい子」
南が京助とは反対側から坂田の頭を撫でた
「坂田赤ちゃんみたい~」
悠助が笑いながら言う
「どぉ~れ高い高い~」
中島が坂田を持ち上げた
「ワッショイワッショイ」
中島に持ち上げられた坂田の足を京助が持って人間タンカをし始めた
「やめいっつーの!!; ゲハッ!; コラ!! 悠!! 乗っかるな!;」
その坂田の上に悠助がよじ登ってきた
「出発~!!」
そして神社本殿を指差して悠助が掛け声をかけると京助と中島が坂田を人間タンカしたまま歩き出す
「ホラ! ラムちゃん置いていかれる! 乗り遅れる!!」
「えっ!; あ…うんっ!;」
南が緊那羅を手招きしながら駆け出すと緊那羅も駆け出した
「おーろーせーッ!!;」
坂田が悠助を落ちないように支えつつも抗議の声を上げる
「義兄様俺ものっていい?」
「アカン!!;」
慧喜が京助に聞くと坂田が間髪いれずに怒鳴った