小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

【第八回】お祭りマンボゥ

INDEX|3ページ/29ページ|

次のページ前のページ
 

石垣には正月町に5つある小学校の生徒が書いた書道や絵画が飾られその下には名前が張られている
神社の本殿に続く石畳には吊るされた寄贈者の名前が書かれた桃色の提灯が薄暗い中ぼやっという光を放っている
鳥居には真新しい注連飾りが飾られ神社前には本祭り当日に担がれる御輿が三台置かれその前には魚や果物、お菓子などのお供え物がされていた
天狗行列に使われる旗が通路に立てられ風にハタハタとなびいている
神社の社務所からは祭り実行委員のオッサンの酔っ払った笑い声が聞こえ取り付けられたスピーカーからは演歌がひっきりなしに流れている
「京助の家より大きいっちゃね」
緊那羅が本殿を見て言った
「まぁなぁ~こっちが本家というか…まぁ神社にもなんだか神社の神社による神社のなんたらがあるっぽいしな」
京助が言う
「何だっちゃそれ;」
緊那羅が呆れ顔をして言った
「慧喜と同じ格好してる人結構いるっちゃね」
行き交う人の中に浴衣を着ている人を見かけて緊那羅が言う
「祭りといえば浴衣でしょう」
坂田が言った
「でも慧喜が一番可愛いね~」
悠助が笑顔で言う
「その浴衣はハルミママさんの浴衣なんだやな」
「何!?」
イヌが言うと坂田が異常な反応をして慧喜を見た
「京助がまだちっこい時にその浴衣着て主と一緒に祭りに行ってたんだやな」
コマも慧喜を見上げた
「主って…京助パパン?」
南がコマに聞く
「そうなんだやな」
イヌが頷く
「久しぶりにこの浴衣見たんだやな」
イヌが尻尾を振った
「主がいなくなってからハルミママさん着てなかったんだやな」
コマが言うと慧喜が浴衣の袖を持ってまじまじと浴衣を見た
「ハルミママも似合ってたんだろうね~」
悠助が笑って言う
「当たり前だ悠!」
坂田が強く言った
「ハルミさん慧喜ッちゃんのこと本当の娘ってしてるのかもねぇ…そんな大事な浴衣着せたってことは…すげぇ状態いいしねコレ。保存法がよかったんだね~全然色あせてないもん」
南が浴衣を見て言う
「娘…」
慧喜が浴衣の袖の匂いを嗅いだ
「ハルミママ様の匂いがする」
慧喜が呟く
「俺にも!!」
坂田が真顔で慧喜に言うと中島がスパンと坂田の頭を叩いた