【第八回】お祭りマンボゥ
「いい環境に生まれたんだナァ竜のボン」
阿修羅が笑いながらその様を見ている
「いくら叩かれてもあれ以上馬鹿になることはないと思いますし…いいんじゃないですか?」
乾闥婆が言う
「にしてもスゲかったよなぁ…さすがに死ぬかと思ったけど」
中島が思い出して言った
「本当本当!! …でも夢じゃないんだよね…夢に思えても」
南が事前と何も変わっていない本殿前をぐるり見渡して言う
「結界の中は違う空間だからな…術者が倒れぬ限りどんなに壊れようが物は元に戻るのだ」
迦楼羅が言った
「怪我は治らないんだな」
坂田がチラッと目を横に向けた
「あ…私はかすり傷程度だっちゃし…;」
緊那羅が苦笑いで言う
「俺のは乾闥婆が大分看てくれたし悠助に怪我がなかったからもう平気」
浴衣に戻った慧喜が悠助の頭に頬すりしながら言った
「俺でラストだな」
浜本が京助かを放して間髪いれずに京助の頭を思い切り頭を叩いた
「って-----------------ッ!!;」
京助が頭をおさて叫んだ
「俺等の怒り受け取れ」
浜本がさすがに痛かったのか手をプラプラさせながら舌を出して言う
「だから巻き込んで悪かったって…ッ;」
スッパパパン!!!!
京助が言いかけると今度は3馬鹿がそれぞれの履いていた靴で京助に叩きかかった
「全然わかってないようですが皆さん」
靴で自分の肩をトントン叩きながら中島が生徒達を見渡した
「何がだよ!; バコバコ集団で叩きやがってッ!; そんなに嫌だったなら…」
スッパパパパン!!!!
3馬鹿が再び京助を叩いた
「誰かが嫌だったって言ったか?」
坂田が言う
「さっきも言ったはずだけどな俺」
中島がトフトフを靴で軽く京助の頭を叩く
「俺だったら嫌なことあった場所にはいたくないんだけど」
南が言うと京助が顔を上げた
「…一番ツラいのお前だろ」
坂田が京助の肩を軽く叩いた
「ミヨたちが怒ってるのは今回のことじゃないよ京助が話してくれてなかったって事…そりゃ親友ってレベルじゃないかもしれないけど友達だよ?」
ミヨコが言う
「できることをするしかないならできることするさ俺達だって」
ハルが京助の頭を撫でた
「…」
ぽかんとしたままの京助の肩に南が両手を置いた
「ラムちゃん達みたく戦いとかできない俺等がお前と悠にしてやれることっていったらたった一つしかないかもしれないけどいいですかね?」
南が京助の両肩を叩きながら言う
「何だよ…」
京助が小さく呟いた
「お前と友達でいることッ」
中島が京助の首に腕をまきつけて言った
作品名:【第八回】お祭りマンボゥ 作家名:島原あゆむ