【第八回】お祭りマンボゥ
「京助!!」
緊那羅が京助に駆け寄り京助の足に絡みついた触手のようなものに手を伸ばした
「いっつ~…; …!! 緊那羅ッ!!;」
中島が緊那羅の名前を叫ぶのと京助の目の前から緊那羅が一瞬で消えたのはほぼ同時だった
「ラムちゃんッ!!;」
土埃が京助の視界を遮り聞こえたのはズシャっという何かが落ちるような音と緊那羅の名前を呼ぶ3馬鹿の声
「っ…きしょ; 放せッ!!」
自分の足に絡み付いている触手をはずそうと京助が奮闘する
「ぅ…」
3馬鹿の声がやかましいほど届いたのか吹き飛ばされた緊那羅が身を起こした
「痛ぇって! もげるって!!;」
京助の声が響く
「我慢しなさいッ!; 足の一本や二本!!」
中島が京助の上半身を引っ張りながら言う
「そうそう! チンコ取られるわけじゃなし…っ!」
南が触手に手をかけ引っぺがそうとしながら言う
「死ぬよりマシだろがッ!!;」
坂田も南と共に触手を引っ張っている
「おわッ!!;」
「京助!!;」
触手がいきなり京助の足を引っ張った
「ギャ----------------!!;」
京助が3馬鹿にしがみついた
「京助ッ!!;」
緊那羅がバッと立ち上がり走り出した
「キャー!; キャトルミューテーショーン!!;」
南が京助を引っ張りながら言う
「いて-----------------ッ!!;」
綱引きの綱、もしくはバーゲンセールで主婦に両方から引っ張られるブランド品の様になりながら京助が叫ぶ
「オーエス! オーエス!!」
ゼンゴの結界の中から浜本がコールを送り始めると生徒達が浜本に続き声を出し始めそれが大合唱のようになった
「京助!」
緊那羅が武器笛で触手を攻撃した
「ラムちゃん!! だいじょう…うぉああッ!?;」
「でぇえッ!!;」
触手が京助を3馬鹿をつけたままで空中へと持ち上げた
「重いッ!! 重いし痛ぇッ!!;」
3馬鹿をくっつけた京助が宙ぶらりんで喚く
『キョウ…』
だんだんと京助を持った触手が物体へと近づいていった
「お前等放れろ!; この高さからならせいぜい捻挫くらいで済む!!;」
宙ぶらりんで3馬鹿をぶら下げた京助が3馬鹿に言った
「やだねッ;」
坂田が必死で京助にしがみつきながら答えた
「はッ!?; 怖くねぇのかよッ!!;」
京助が怒鳴る
「怖いさ!! 怖くねぇっていったら鼻がM88星雲あたりまで伸びちゃうってッ!;」
今度は南が言った
「捻挫がそんなに嫌なのかッ!?; いいから放せってッ!!; このまんまじゃお前等も…ッ!!;」
間近に迫ってきた物体本体を京助がチラッと見ながら言う
「捻挫も嫌だしスッゲェ怖いけどなッ! お前に化けて出てこられる方がよっぽど怖ぇえんだよッ!!;」
中島が京助にしがみつきながらも足で触覚を何とかはずそうとしながら言った
作品名:【第八回】お祭りマンボゥ 作家名:島原あゆむ