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朝露

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ファビウスの一行は、アウレリウスを加え、アッピア街道をローマに向かって進んでいく。

4m強の対向2車線の車道と両脇に3m前後の歩道、排水溝を備えた街道は一直線に伸び、快適な旅である。

「アウレリウスよ・・・」
ファビウスが、アウレリウスに語りかける。

「かつて アリスティデス・・・知っての通り、ギリシャの哲学者がな
・・こう言っておる。」

「ローマ人は、傘下に収めた土地の全てを、測量し記録した。そしてその後で、河川には橋をかけ平地はもちろんのこと、山地にも街道を敷設し、その帝国のどの地方に住まおうと、行き来が容易になるように整備した・・」

「自国の防衛をな、街道を通して往来を盛んにすることで、征服した国と征服された国の垣根をなくして、ともに生きていくための整備によって実現しているのだ・・」

アウレリウスは、一応は真面目に聞いているようであったが時折歩道を歩いている、若い娘等を見るとルチアのことを思い出してしまい、上の空になってしまう。

「まあ・・アウレリウスもローマに住んで、見聞を深めることによって、初めてわかることもあるだろうなあ・・」
ファビウスも、ルチアのことが未だ気にかかっている彼の心は、痛いほど感じてはいたが、自分からアウレリウスの教育を申し出た手前、口に出すことは出来ない。

作品名:朝露 作家名:舞夢