朝露
「大丈夫だよ、ルチア・・
僕はナポリが一番好きなのだ・・
そして、僕のことを一番わかってくれる女性は、ルチア お前しかいない
早く 一人前になって ルチアのところに帰ってくる。
それまで 父や母 そしてこの家のことを よろしく頼む・・」
二人はしばし抱き合い、その後二人で出立の準備をした。
準備にはほぼ1日かかり、夜はひとつのベッドで抱き合って眠った。
朝になり、出立の時が近づくにつれて、アウレリウスは別れづらさが募っていたが、断ち切るようにファビウスの一団に加わり旅立っていった。
アウレリウスは何回も後ろを振り返ったが、ルチアの姿は見えなかった。
ルチアはアウレリウスのベッドに、突っ伏して泣いているのだった。