朝露
「貴方・・・」
アウレリウスはルチアの声で眼を覚ました。
窓から見える空は、いつもと変わらず青い。
ルチアは黙って、冷たいレモン水の入ったグラスをアウレリウスに差し出す。
「・・ありがとう・・ルチア・・」
アウレリウスの二日酔いの身体にレモン水がしみこんで行く。
「やっと 正気に戻ったようだ・・」
アウレリウスはベッドから起き上がり、ルチアを手招きする。
ルチアは、少しうつむいてアウレリウスに近づく。
アウレリウスはルチアの身体をしっかりと、抱きしめる。
「こういうことになってしまえば、帰る家の無い私には寂しい日々が続きます・・
貴方も私のこと 忘れないで・・・
朝に夕に私のことを 思ってください・・
1日も 早く・・帰ってきてください・・」
ルチアはアウレリウスの胸に 顔をうずめて泣いていた。