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お下げ髪の少女 後半

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「おい!釣り合わねえ、いい女連れてるじゃねえか」
 一人がそう云うと、
「俺たちとも仲良くしようぜお嬢ちゃん」
 美緒は緒方の背後に動き、隠れるようにした。緒方はかつての級友が云っていたことを思い出していた。
 (よし、あの手で行こう)
「……邪魔だ!とっとと消えろ!てめえら、俺がどこから来たかわかってんのか!川崎から来たんだ!俺がなぁ、朝鮮の強い連中を、大勢連れて来たらどうなるか、よく考えてみろ!」
 それを聞いた不良少年たちは急に委縮してしまった。
「川崎からですか。知らなかったもので失礼しました」
少年たちは呆気なく退散した。緒方は自分でも信じられないほど迫力のある怒鳴り方だったと思う。
「わー!かっこいい。邦彦さん大好き!」
 美緒は緒方が茫然とするほど嬉しそうだった。緒方の顔は蒼ざめ、まだ足が震えている。