お下げ髪の少女 後半
「美緒さんのその反応は意外でした」
「だって、かっこ良かったもん。見なおしたんだもん」
美緒はまた眼に涙を浮かべている。
「……見直すのは美術の授業がおわってからにしてください」
「はい。わかりました。どこまでも先生について行きます」
しっかりと手を繋いだ二人は、煉瓦色の美術館に向かって歩き出した。
「美緒さんと一緒にいたから勇気が出たんですね。美緒さんと一緒に歩いて行けば強くなれそうです」
「わたしは、邦彦さんと一緒なら、優しくなれそうです。世界中の人たちがふたりを応援してくれているような気持ちです。頑張りましょうね」
「そうですね。頑張りましょう。正しく、生きて行きましょう」
「そうよね。ふたりで力を合わせればいつまでも幸せな日が続きますね」
「幸せになりましょう。美緒さんだけでいいです。他には何も要りません」
「わたしも、邦彦さんだけでいい」
二人で泣きながら歩いた。緒方はまた、美緒を抱き締めたいと思った。
了
続きを書くかも知れません。
作品名:お下げ髪の少女 後半 作家名:マナーモード