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趣味人の恋 6 (18~20章)

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章タイトル: 第20章 こぼれ行く時間
-----------------------(p.101)-----------------------

【ジュピター】
              詩:吉元由美
              歌:平原綾香

      Every day I listen to my heart


      独りじゃない
      深い胸の奥で  
      繋がってる
      果てしな時を越えて
      輝く星が
      出会えた奇跡 
      教えてくれる

      Every day I listen to my heart
      
      独りじゃない
      この宇宙(そら)の御胸(みむね)に
      いだかれて・・・

      私のこの両手で
      何が出来るの?
      痛みに触れさせて
      そっと目を閉じて
     
      夢を失うよりも
      悲しい事は
      自分を信じて
      あげられないこと・・

      愛を学ぶ為に
      孤独があるなら
      意味の無い事など
      起こりはしない・・・

      こころの静寂(しじま)に
      耳を澄まして

      私を呼んだなら
      何処へでも行くわ
      アナタのその涙
      私のものに

      今は自分を
      抱きしめて
      今のぬくもり感じて

      私たちは誰も
      独りじゃない
      ありのままでずっと
      愛されてる・・
     
      望むように生きて 
      輝く未来を
      いつまでも歌うわ
      あなたの為に・・・

-----------------------(p.102)-----------------------

10月の中旬を過ぎた頃、入院していた
香りのお父さんが亡くなった・・・

『あなたへ。

昨日、未明 父が亡くなりました。
わたしが駆けつけたときにはすでに・・・・。
苦しかった日々を忘れたかのような安らかな死顔でした。

夜、あなたにお話をと思ってページを開きましたが、キーボードを眺めるだけでした。

お通夜の合間をぬって帰ってきていますが、今日は本当の別れの場に行かなければなりません。

妹が以前、葬儀関係の仕事をしていましたのですべてまかせています。

しばらくの間、あなたには寂しい思いをさせるかもしれませんが許してください。
そしてまた、突拍子もない時にあなたに会いたくて独り言を書くかもしれませんが、それも大目にみてくださいね。

悲しいことが続きました。

日記に[Special edition - Tribute] を書きました。

あなたが、あなたがいるから香りの命の炎は燃えています。

わたしの愛のすべてをあなたに(^_-)-☆☆彡優しくチュッ♪』

「香り、やはりそう言うことやったんやな…(/_;)/~~

でも、お父さんは幸せやったよ、きっと♪

死に目に逢えなくても、娘たちに囲まれて、人生終われたなら…
香り、僕のことなら大丈夫♪(^_-)☆

【大人しく】香りの帰りを待ってるからな(^^ゞ

何時でもメールしてね♪チュッ♪(*^^*)チュッ♪
(^^)/\(^^)                    」

-----------------------(p.103)-----------------------

翌朝香りからメールがあった。

『いろいろと気を使っていただいてありがとうございます。
あなたの胸で眠れる幸せをかみしめました(^_-)-☆
 あらためて おはようございます♪
秋晴れのいいお天気になりそうですね。
今日も一日、あなたに一杯の幸せが降ってきますように♪』

「香り、おはよう(^^)/
無事、お見送りしたんだね(^-^)
お疲れさんm(__)m
色々雑用もあるだろうけど・・
ホント、今日はいい天気♪(^_-)-☆
頑張ろうね♪(^。^)y-.。o○   」

『昨日、みかんさんからメールが入りました。
わたしが父の事を書いたメールの返信だったのですが、
そのなかにKちゃん(みかんさんのご主人)の事故のことが書いてありました。
飛び出したネコを避けようとして電柱に激突。車が廃車になるほどの事故だったそうですが、Kちゃんは奇跡的に無事。ムチウチや肋骨損傷、捻挫、かすり傷 etc。
みかんさんのお父様がKちゃんを助けてくださったと皆思っています。本当にそうだと思います。

一つ、お願いがあります。
わたしの病気・余命のことはみかんさんにはまだお話していません・・・
彼女にショックを与えたくないので、延ばしのばしにしています。あなたの胸におさめておいてくださいね・・』

「ああ、それは分かっているよ・・・
でも、何時かは云わない訳にはいかないね・・
前に、「妹は薄々・・」とあったけど、その後どうなの?
御父さんのことがあって、尚更言いだし難いとは思うけど、内緒にしておくわけには、いかないだろ?
香りもそのことが気がかりだと思うけどね・・  」

『妹には父のことが一段落した時点で話そうと決めています。
勤めの方も11月末で退職しようと思い、今月末に辞表を出します。
いろいろしなければならないことがあり、気ばかりあせる此の頃ですが、あなたの存在が大きな癒しです。』

-----------------------(p.104)-----------------------

香りは毎日のように【お気に入り】の日記を書き続けた。

ここで【顔出し】する人は極少数だと思う。
年齢も人によっては【非公開】である。

従って、その人が発信する文章や、趣味などでその人をイメージするしかない。
受け取り方は人さまざまだから、そこで【好き、嫌い】が分かれるのではないか?

香りは文章力もあり、洋楽中心ではあるが色んな音楽に造詣が深かった。
更に、万葉集を愛し、花を愛し、詳しかった。
そして気まぐれに訪れた先々でアルバムの写真に洒落たコメントを遺して行った。

べた付かず、媚を売る訳でもなかったが、
凛とした姿の良い女性を連想させたに違いない・・

そんな香りが選んだ今日の【お気に入り】の曲と彼女とのおしゃべりを目当てに、香りの部屋は賑わい始めていた。

しかし皮肉にも、紙上の賑わいに反比例するように、身体の具合は良くなかった・・・


「2009年11月2日8時11分
件名 香り
香り、居ないの?(+_+)…
寂しい…(T_T)
2009年11月2日 8時39分
件名 香り
香り、どうしたの?
具合、悪いの?
心配やなぁ…(ToT)…
2009年11月3日 10時52分
件名 香り
香り、何かあったんか?
しんどいのやったら無理はせんでええから(^_-)☆チュッ♪」