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趣味人の恋 5 (15~17章)

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延ばしのばしにしている決心のこと・・

決心とは・・・

あなたにすべてを話し、あなたの前から消えることでした。』


-----------------------(p.80)-----------------------

僕は香りが何時になく真剣だと感じた・・

『わたしが趣味人に入る少し前のことです。

左胸に痛みともだるさとも言いようのない感覚がつづきました。
軽い気持ちで受診したわたしでしたが、組織検査の結果、

癌を宣告されました。

北海道に家族はいませんでしたからそのことは私以外の誰も知りませんでした。

医師は化学療法と手術を勧めました。

わたしの答えは「NO」でした。』
『私は職業柄、化学療法で髪の毛が抜け落ち、嘔気に苦しめられている人をいやというほど見てきました。

手術・・・わたしはうまれたままの姿で死にたいと思っていました。

その頃から死の覚悟はしていましたし、死の準備期間が与えられたことに感謝しました。

でも北海道で死にたくはなかったのです。

それ以後のことはあなたもごぞんじですね。

わたしには延命など必要ないのです。

ただ、あなたとの成り行きはすべてを諦めていたわたしに執着心というものを持たせてしまいました。

’わらをもつかむ”とはまた違った意味ですが。

父のことが重なり、精神的にも少し弱ってきたことがいけません。

癌 でもやはり「病は気から」が影響します。

異常に神経が冴え、物事に超過敏になりました。
どなたかの表現をかりますと、心がささくれだってくるというのです。

でも、そんなことはあなたに関係のないことです。

そうです。乳がんです。」


-----------------------(p.81)-----------------------

わたしは絶対に手術はしません。

8月にあなたとの間がもつれたとき、わたしは死んでもいいと思いました。

そんなに遠くないことですから。

あなたはわたしが自殺をするのではないかと恐れました。

身の危険も感じました。わたしはあなたのことをある意味で知りすぎていましたから。

でも、はっきりお話しておきましょう。

万一わたしに何かが起こってもあなたの存在を示すようなものは一切ありませんから。心配しなくてもだいじょうぶですよ。』
『今は父の看病でという名目でまとまったお休みをとっていますが、家に閉じこもっていると余計にふさぎますので、
出来るだけ仕事は続けるつもりです。

今回のことでようくわかりましたが、気持ちの張りというのは何にも勝るお薬です。

毎朝メールで”おはよう チュツ♪”はひとりでに微笑がわいてくる最大の良薬でした。』


-----------------------(p.82)-----------------------

『香りの今の状態はどんなん?
仕事にも行けない状態になってしまったと言うこと?
香りが居なくなるなんて信じられない・・・・・・・・・
僕も「少しは」香りのことを知ってる人間のつもりだよ・・・
無責任な慰めはしない・・
でも、生きられる間は精一杯生きてほしい!
僕が傍に居るから
生きてほしい!
多分、「僕が一度だけでも逢おうよ!」
と言っても、香りは「うん」とは云わないだろうね(#^.^#)・・
ホントは「うん!(#^.^#)」って言いたい癖に!
コノ、強情女!(-_-)/~~~ピシー!ピシー!
嘘だよ♪(^_-)-☆そんなこと、これっぽちも思ってないから・・

皆、僕の為だったんだよね・・・

それほど、愛してくれたんだよね!

香りは前に言った・・
「あなたが私を想う、一万倍あなたのことを想っています」って・・・
その時は正直、「なんてオーバーな・・」と思ったけど、
僕は今、本当に香りに愛されていたんだと実感してる!
ホントだよ・・・
今、泣きながら、キーボードを打ってる・・
さっき、「ごうじょうおんな」って変換が出来なくて・・
泣きながらイライラして・・
香り、僕も香りのこと、僕なりに
必死で愛していたんだよ!』

-----------------------(p.83)-----------------------

『私が頑なまでにあなたに会わないと言ったのは、あなたの家庭を乱したくなかった以上に、私のゴール(あの小説みたいでしょ?)がわかっているから・・
ついつい我儘が過ぎてあなたに諭されたりしますが、
あなたのやさしさが生きがいのような日々・・・です。』
そろそろ帰り支度にかからなくっちゃいけませんでしょ?

昨日の晩にYOUTUBU 云々て書いたでしょ?

「泣かさないでください」というのがあってね。
そしてもう一曲 「Time say goodbye」

たくさんたくさん聞いて欲しい曲があります。

香りの思い出としてリストをつくっていきますね。』

『そんなことは良いよ!

今は香りと少しでも話していたい・・・
もっと話して?
もっと香りのことが知りたいから・・

単刀直入に聞くけど、香りは主治医?に
自分の寿命があとどれくらいあるか
聞いて入るんだろ ?


僕がそれを知っても、どうする事も出来ないけど・・』


『わたしはDRにああしろ、こうしろと言われたくないので、
なるべく病院には近づかないようにしています。

癌の場合の余命というのは、若いときは急速に病状が変化して余命宣告通りに進むことが多いようですが、年齢が高くなるにつれて、DRの思惑がはづれることもあります。

香りは自分のことですからだいたいのことは・・・

[行く年来る年]が見られるかどうか、
でも来年の紅梅は絶対に無理でしょう。』


『このことはご両親や、妹さんも知っているんだよね?』

『今はまだ誰も知りません。
妹はうすうす、何かを感じているようですが・・・

先日、パーマをあて、ヘアーカラーを変えたのもなるべく衰弱していくのをカモフラージュするためです。

「セクシーだね」は効果のあった証拠です。

さぁ、今日はそろそろお開きにしましょう。
明日があるんですもの♪(^_-)-☆

♪Will you still love me tomorrow?♪』

-----------------------(p.84)-----------------------

【明日がくるなら・・】

                  JUJU&JAY'ED

    さよならは 言わないでおくよ
    だって目を閉じれば映るよ
    いつもの君が・・
    
    明日が来るなら
    何も要らない ただ君だけに
    笑っててほしいから 
    いつでも・・

    言わないでよ まだもっと君に
    触れていたいよ
    口にしたら 何か壊れそうで・・

    つないでる 手のぬくもりだけ
    確かめてた
    
    止まらない時間が何時か
    二人 引き離すなら

    もっと君 見ていたいよ
    ずっと抱きしめていたいよ

    Time is slipping away

    明日が来るなら