趣味人の恋 3 (9~11章)
章タイトル: 第10章 デート
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僕は香りさんを喜ばす為に【あらゆる妄想】を駆使した(((^^;)
いや、自分の為かな?(*^^*)
『妄想デート』もそのひとつ(((^^;)
ミニメールの中であたかも二人が各地のデートスポットを巡る妄想をするのだ。
その事を香りさんに提案すると、
『うわぁ、嬉しいわ♪(^_-)☆何処に連れてって下さるの?私、着物着て行こうかな♪(*^^*)うふふ♪』
と喜んでくれた♪
初デートの行先は【嵐山】北野白梅町から京福電車に乗って嵐山駅まで♪
既に桜の季節は終ったが、むせかえるような新緑が二人の目を楽しませるだろう(*^^*)
『じゃあ明日、北野白梅町京福電車の前で10時に待ってるし♪(^^ゞ』
『はい、10時ですね♪(*^^*)遅れないようにしないと(~_~;)…本当、何着て行こうかしら♪(^_-)☆』
香りさんが本当に喜んでいるのが伝わってきた。
(((^^;)
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翌日10時前に約束の場所に行くと、
10分前だと云うのに香りさんは既に待っていた♪
薄紫に染められた生地に白い輪郭で桔梗の柄が描かれた着物を着ている♪
アップに結った黒髪♪
少し抜き加減の後ろ襟からのぞくうなじが妖しく美しい♪
『香りさん、待った?(((^^;)』
『いいえ♪私も今着いたばかりですの(*^^*)』
『そしたら行こか(^^ゞ』
『はい♪o(^-^o)』
そんなありきたりのやり取りをしながら歩き出し、
京福の改札を通った。
本筋の『京福電車・嵐山線』とは四条大宮から嵐山までの
間を云う。
北野白梅町から出ているのは「北野線」。
「等持院」「龍安寺」「妙心寺」「御室仁和寺」「宇多野」
「鳴滝」「常盤」を経て、「帷子の辻」で『嵐山線』に合流するのだ。
複線である『嵐山線』に対し、単線である『北野線』は、線路を挟む両側も列車に近く、桜の時期、特に鳴滝~宇多野間では、両側からせまる桜の木々が、さながら『桜のトンネル』を創り出しており、季節限定でライトアップされ、其れは見事なものである。
嵐電の小さな箱の中は、桜の季節は外れたと言え、
嵐山を目指す観光客と沿線の住民とで結構混んでいた。
二人は並んでつり革を掴もうとする。
しかし、着物の香りさんに気付いた僕は、
『僕の腕にぶら下がったらエエわ(*^^*)』
『はい♪(*^^*)』
ガタンゴトン♪ガタンゴトン♪
嵐電は短い線路の継ぎ目を鳴らしながら、
小気味良く左右に揺れる。
慣れない香りさんは両手で僕の腕にしがみつく♪
僕の鼻腔が、香りさんの甘い香りをとらえた♪
俯いた香りさんのうしろ襟から白い襟足がのぞく♪(*^^*)
(このまま、東京でも名古屋でも行ってくれへんかな(((^^;)…)
僕はそう願った♪
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嵐山駅に降り立った僕らは
着物姿の香りさんの足元を労わりながら
腕を組みゆっくり歩いた。
渡月橋に通じる大通りの両側は、茶屋や土産物店が並び、盛んに客寄せをしてる。
大勢の老若男女や修学旅行の学生と思しき若者たちが
沿道を犇めくように歩いていた。
二人はその人の群れに押されるように、「天龍寺」「宝厳院」と観て歩いく。
何時しか二人は「野宮神社」から「竹林の道」に歩を進める。
青々と延びた若竹が道の両側から伸びやかに天を目指していた。
4月上旬と云え、上々の天候のせいもあり、
やや蒸し暑い位であったのに、
ここだけは、生命力溢れる若竹の林を通り抜けた
清涼な風が心地良かった。
別段、何を語るでもなく、ただ腕を組んで歩くだけの二人だった。
しかし、時折みる香りさんの顔には、幸せそうな笑顔が浮かんでいた。
僕も、幸せな気持ちになった。
(^_-)-☆
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「香りさん、どやった、今日の『初デート』は?(*^_^*)」
「すごく良かったわ♪(#^.^#) とっても若葉がきれいで♪
それに・・・えい吉さんも、優しくエスコートしてくれたし♪
(^_-)-☆」
「そうか♪良かった(^^♪ この次は何処行きたい?」
「貴方が連れて下さるなら何処でも♪(^_-)-☆
あ、出来たら、藤の花が咲く頃に宇治の平等院に行きたいわ♪(*^_^*)」
「宇治の平等院?ああ、良く行ったで♪(^。^)y-.。o○
よっしゃ、藤の花が咲くのは・・・・・・5月の下旬位かな? その頃、また行こな♪(^_-)-☆」
「じゃあ、今日はこれで♪(*^_^*)午後から母の所に行ってきます。ご機嫌よう(^_-)-☆」
「ああ、そしたら香りさん、また明日♪(^_-)-☆」
そう云って、僕たちは別れた。
モニターの前で^^;・・・・
妄想の中の初デート♪(^_-)-☆
しかし、僕と香りさんの間の距離は
確実に縮まったと感じた♪(*^_^*)
月渡る
橋のたもとで
君を抱く
しばし雲間の
朧月かな
妖しきは
朧月かな
気まぐれに
そっと唇
盗みたくなる
抱きしめて
君のにほいに
包まれて
盗られしこころ
君の手の中
五十路でも
恋する気持ち
二十歳前
二人の鼓動
互い感じて
願わくば
醒めることなく
幾年も
今宵の時間
続くことのみ
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章タイトル: 第11章 愛の巣
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四月が終わりGWになった。
彼女に対する僕の呼び方が変わった…
『香り』と呼び捨てになった(((^^;)…
後に彼女の話によれば、【五月四日】だったと云う…(*^^*)…
オンナノコハ、ゼッタイオボエテルナ、コウイウコト(-_-;)…
僕は決心した。
【愛の巣】を創ろうと♪・・
o(^-^o)(o^-^)o
勿論、【妄想の中】やけど(((^^;)…
『香り、何処かに部屋借りよか?(*^^*)
僕らの【愛の巣】を♪(^_-)☆
そやなぁ、海辺に近い、小高い丘の中腹に建ったマンションがエエなぁ♪(^。^)y-~
勿論ベランダからは【シーサイドビュー】やな♪(^^ゞ』
『素敵♪(*^^*)ねぇ、どんな間取り?』
『あんな、玄関入って廊下を真っ直ぐ行くと二十畳位のリビングが在って、
四畳位の対面カウンター付のキッチンが付いてんねん♪(^^ゞそいで、僕の部屋はリビング右側、香りは左側の八畳の寝室や♪(^_-)☆
作品名:趣味人の恋 3 (9~11章) 作家名:ef (エフ)