サイボーグさっちゃん
「どうしたの?」
わかなちゃんがやっと泣きやんで、さっちゃんを見ていいました。
「ああ、私ね。電池がきれると元気がなくなるの」
さっちゃんは、そうい言うだけでつかれるような気がしました。
「ふーん、電池ないの?」
わかなちゃんは、少しかんがえているようすでしたが、「おうちからもってきてあげる」と言いました。
そうか、おうちへかえれば、と思いましたが、おうちまでかえる元気がありません。
さっちゃんは、お父さんがおうちにいることを思い出しました。
「わかなちゃん、わたしのおうちわかる?」
さっちゃんがきいたけど、わかなちゃんは
「わからない」とくびをふった。
「こまったわ」とさっちゃんは泣きだしたい気持ちでした。
「お父さんにきいてみるね」と言って、わかなちゃんはかえっていった。
さっちゃんは、バスていりゅうじょまで、よろよろとたどりついて、ベンチへすわりました。ベルトのあかりのチカチカが速くなっています。音もピピピピピとなっています。さっちゃんはねむくなってきました。
作品名:サイボーグさっちゃん 作家名:伊達梁川