サイボーグさっちゃん
わかなちゃんは、おうちへかえってお父さんに、「あのね、おねえちゃんが」と言いかけたら、おきゃくさんがあらわれて、お父さんは、「いらっしゃい」といってはなれていきました。
やっとお父さんがもどってきて、わかなちゃんは「おねえちゃんが電池ほしいんだって」と言いました。
わかなちゃんのお父さんは、
「なんだって、うちはやおやだよ。電池なんか売っててないよ」
そう言いながら、レジのまえにいっておきゃくさんからお金をもらっています。
わかなちゃんはこまってしまいました。
「お父さん! おねえちゃんが元気がなくなったの。おねえちゃんがね、わたしをたすけてくれたの。おねえちゃんが電池ほしいって、おうちにあるんだって」
わかなちゃんが、いっしょうけんめい言っているけれど、お父さんには通じません。「電池で動くおねえちゃんが、たすけてくれだって! いそがしいのに、マンガの話なんか、あとにしてくれ」
お父さんはおきゃくさんの相手でいそがしそうです。
わかなちゃんは、また泣きたくなってきました。
そのころ、さっちゃんもピンチです。あの悪い男がもどってきました。きっとどこかでようすを見ていたのでしょう。さっちゃんの元気がなくなって、ベンチにすわっているそばに車が近づきました。
それから車をとめて、あたりを見まわしてから、さっちゃんに近づいていきました。
作品名:サイボーグさっちゃん 作家名:伊達梁川