サイボーグさっちゃん
車は女の子においついて、まどを開けてなにか話しているようです。さっちゃんは走り出しました。
あやしい男のかおが見えました。テレビで見るようなイケメンです。女の子は、八百屋の子でした。げいのう人が大好きな子で大人ともよくおしゃべりをしている、わかなちゃんという子です。
わかなちゃんはニコニコしてあやしい男と話しをしています。あっ、車にのっちゃった。
さっちゃんは、走りました。あやしい男がちらっとふりかえり、さっちゃんを見てあわてて車を走り出させました。
さっちゃんもダッシュしました。サイボーグさっちゃんですから、速い。しかし、車にはかないません。だんだんはなれてしまいました。
ますます、あやしい! さっちゃんはそう思いながら走ります。どうろの信号が赤にかわて、車がとまりました。
「ようし、信号が青になる前においつくぞ!」
さっちゃんはタタタタと走ります。サイボーグになったおかげであまりつかれません。
おいつきました。さっちゃんはあやしい男がのった車のまどをたたきました。
男が、すごいかおでにらんでいます。わるいことをしていなかったら、すぐドアを開けるはずです。やっぱりあやしい。わかなちゃんは何があったのかわからず、キョトンとしています。さっちゃんはわかなちゃんと目があったときに、「おりて!」といいました。わかなちゃんがドアを開けようとしましたが、開きません。さっちゃんはドアを開けようとおもいきりひっぱりましたが、やっぱり開ききませんでした。
わかなちゃんは、これは大変なことにちがいないと思ったのか、なき出しました。
信号がかわりそうです。たいへん、どうしよう。
作品名:サイボーグさっちゃん 作家名:伊達梁川