サイボーグさっちゃん
一週間がすぎて、さっちゃんのベッドのまわりにお父さんとお母さんが立って見ています。
ブラックハート先生がきました。先生はマスクをつけたままです。
「さっちゃん、おきていいですよ」
先生のことばをきいて、さっちゃんはベッドからおきあがりました。体がかるくかんじました。ベッドをおりて少し歩いてみました。すいすい歩けます。体には何もついていません。
「走ることもできますよ」
先生がそう言ったので、すこし走ってみました。
「すごーい」
さっちゃんは声にだしてそう言いました。
走るなんてひさしぶりでした。
先生のところにもどるとお父さんとお母さんが、先生の手をにぎってないていました。
「そのかわり」と先生がきびしい声で言いました。お父さんもお母さんも、そしてさっちゃんも先生のかおを見ました。
「さっちゃんはサイボーグになったのです。おしょくじは、半分になります。あとの半分はこれです」と先生がとり出したのはボタン電池のようなものでした。
「はあ?」とさっちゃんは声を出しました。
「さっちゃん、おなかを出してみて」
と先生が言いました。
作品名:サイボーグさっちゃん 作家名:伊達梁川