サイボーグさっちゃん
学校が近づいてきました。さっちゃんを見かけたともだちが、
「あっ、サイボーグさっちゃん」
そんなことを言っているまに、さっちゃんはもう学校の前を通りすぎました。
だんだん、なかよしこうえんに近づいてきます。こうえんであそんでいた小さい子がすごいスピードで自転車を走らせているさっちゃんをみて、おどろいています。
東団地に行く道を走って行くと、だんだん人通りがなくなってきました。
さっちゃんは、大人があんまり通らないことに気がつきました。
「やっぱり、ここはねらわれるわ」
つきあたりで、右と左をみると、左のとおくに自転車が見えます。さとしくんの自転車かなと、さっちゃんはじ自転車のスピードを上げました。
だんだんさとしくんの自転車がはっきり見えてきました。そのむこうにあの車が見えます。
さとしくんにおいついて、さっちゃんは、
「さとしけいじ、ごくろうさんです」
そう言うと、さとしくんは、
「サイボーグさっちゃん、あとはよろしく」
とわらいながら言いました。
それから、ふたりは前を見ました。あやしい車が、人が歩くくらいのスピードでゆっくり走っています。だれかをねらっているのでしょう。
作品名:サイボーグさっちゃん 作家名:伊達梁川